伯父夫婦宅での療養6日目。
午前8時頃、起床。
午前9時30分頃、看護責任者の女性と実習生1名来訪。
診察の結果、もう意識はまったくないとの事。
これ以上の処置は、「いたずらに寿命を延ばすだけ」という
事で、点滴の投与を中止する。
あとは、静かに「自然死」を待つのみ。
その際、看護責任者の女性が言った
「家族に見守られながら実家で臨終を迎える事は
最高の贅沢」
というセリフが耳に残る。
お袋を実家に連れて来て本当に良かったと再確認。
午前10時頃、所用のため、一時帰宅。
正午頃、伯父夫婦宅へ戻って、関係各所に問い合わせの
電話をかける。
その後、兄貴、一時帰宅。
午後、保険関係の手続きのため、兄嫁と一緒に区役所へ。
夕方、お袋の容態悪化。
肩を使って、ぜいぜいと呼吸するようになり、段々と手足の
先が冷たくなる。
午後8時30分頃、スーッと浅く息を吸って、途中で「一時停止」
するような不規則な呼吸に変わる。
集まって来た家族および親戚一同で「臨終間際」と判断。
すぐに俺のケータイから夜間の緊急連絡先である共立病院
経由で、訪問看護ステーションのスタッフに連絡。
電話を切った直後、お袋の心肺停止。
一瞬、カッと目を見開いた後、まるで何かのメッセージを伝える
ように2~3回パクパクと口を開いて、そのまま息を引き取る。
午後8時42分、お袋永眠。
まさに「絶命」といえる壮絶な最期。
お袋の臨終を看取ったのは、俺、兄貴、伯父夫婦、伯母2人
の計6名。
心配して再度電話をかけてきた看護責任者の女性にお袋の
逝去を伝える。
午後9時30分頃、看護師1名来訪。
改めてお袋の死亡を確認。
午後10時頃、もう1名、看護責任者の女性がやって来て、
「身体洗浄」「着替え」「死化粧」といった死後のケア。
これで「296日間」に及んだお袋の胃がん闘病生活は
終わりを迎えた。