永遠の人☆小説&詩 | Yasuzo Official Blog

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初恋の彼は私に掛け替えのない大切なものを残してくれました。そして、彼は私の永遠の人になったのでした…。



季節は春。


頬を通り過ぎて行くそよ風が私に優しく微笑みかけていた。

満開の桜の樹の下で私は真っ青な大空を見上げ、何か良い事が起きる予感を感じていました。

昨日までの私とは決別し、新しい自分探しの旅が始まるかのように。

家庭崩壊・いじめ・登校拒否・引きこもり・そして、自殺未遂…

絶望のどん底で私が見たものは、遥か遠くに見える微かな光りでした。

あまりにも遠くて小さな光りを、私は両手を思い切り伸ばし必死に掴もうとしていた。

ただ未来だけを信じて。

そんな私を母はいつも優しく見守り続けてくれました。

自分が離婚で大変なのに

「大丈夫、明日はきっといい事あるから!」

いつも前向きで笑顔を絶やしませんでした。

やっぱり家族っていいな。

私はその時つくづく感じました。

そんな母に付き添われて、私は京都市立伏見工業高校の建築科の入学式に出席するのでした。


私の名前は河原幸代。

何処にでもいるような未来を夢見る15歳の女の子。

私の夢は建築デザイナーになること。

そして、将来大好きな人が出来たら、その人と暮らす家を設計するのが私の夢。

15歳の春、私はそんな漠然とした人生の設計をしていた。

ところが、その年の春に大好きな人が現れるのだった。

彼の名前は中山真治。

私と同じ高校の建築科に通う15歳の男の子。

彼は私と違って身長が高く、イケメンで頭も良くスポーツも万能、真面目で優しいもう完璧な男子だった。

だから、見た目も普通で勉強も普通な私にとって真治は憧れの存在だった。

そんな高嶺の花の真治だったけど、私は彼に出会えただけで幸せでした。

その当時私の両親は離婚調停中で、父は既に家を出ていました。

私は真治の事を考えるだけで、日々の辛い事や嫌な事を全部忘れる事が出来た。

そして、何より私はこんなにもトキメキを感じたのは初めてでした。

真治はまさに私の初恋の人だったのです。


(つづく…)





【永遠の人】



夜明けの霧雨に濡れながら


二人は最後のキスを交わした


貴方は大きく手を振り微笑む


その笑顔が胸に突き刺さる


あれ程愛し合った二人にも


別離は突然にもやって来た


張り裂けそうな私の心身を


霧雨が優しく包み込んでいく


永遠に忘れない


貴方の声・香り・温もりを


永遠に忘れない


愛し合ったアツい夏の日を