こんにちは。
メンタルケア心理士の桜井涼です![]()
こちらもやっと桜がきれいな季節になりました!
さて、前回は無条件の居場所についてお話しました。
今回は、お子さんの回復を遅れさせてしまう、自分自身への責めや負い目、攻撃に関するお話をしたいと思います。
「学校へ行きたくない」・「しんどい」となって自宅にいるお子さんの心の中を少し垣間見てみましょう。
苦しみの中にいるお子さんは、誰よりも自分自身を激しく責めています。
「学校に行けない自分はダメだ」
「勉強が遅れる、授業についていけなくなるのがわかっているのになぜ動けない」
「この先、どうなるのだろう、自分はダメな人間だ」
「親に申し訳ない」
といった感じで、自分自身を否定し続け、自分を攻撃してしまいます。
この内なる攻撃こそが、回復を遅らせる最大の原因です。
なぜなら、自分を責めることで脳は常に「戦うか、逃げるか」という極度の緊張状態(ストレス状態)に置かれ、心のバッテリーを凄まじい勢いで消耗してしまうからです。
今の状態のお子さんは、「骨折しているのに、自分をムチで打って走らせようとしている」ようなものかもしれません。これでは、治るものも治りませんよね。
親御さんにとって「なぜ休んでいるのに元気にならないの?」という疑問を抱いていることでしょう。現実はこういう状態になっているため、心の防衛反応が止まらないようになっているのです。
「司令塔」ではなく「シェルター(避難所)」になる
多くの親御さんは、お子さんが動けなくなると、
「どうすれば学校に行けるか」
「どうすれば前を向かせられるか」
といった具合に、解決のための『司令塔(コーチ)』になろうとしてしまいます。
でも、今のお子さんに必要なのは、アドバイスをくれるコーチではなく、自分を責める嵐から守ってくれる『避難所』なんです。
具体的にはどういうことかといいますと、世の中には「中学生ならこうあるべき」「勉強は遅れてはいけない」という「外の波」がたくさんあります。
お子さんはその波にのみ込まれて「自分はダメだ」と溺れかけています。 親御さんの役割は、その「外の基準」を家の中に持ち込ませないことです。
お子さんの前で、あるいは心の中で、こう唱えてあげてください。 「学校や世間のルールは、家の玄関で一回脱いでおいで。ここではただの『あなた』でいいんだよ」・「世間がどう言おうと、ここでは今のあなたのままで100点だよ」の言葉が、シェルターの扉を閉める合図になります。心のバリアを張ってあげるイメージです。
「学校に行かせる」という目標は、相手(子ども)があることなので、自分の力だけではコントロールできず、焦りが募ります。 でも、「家の中だけは、自分を責めなくていい場所にしよう」という目標なら、今日、この瞬間から親御さんの意思一つで始められます。
「何かをさせる」という大きな荷物を一度横に置いて、「今、この子の自責の念を一つでも減らしてあげよう」。 そう思うだけで、親御さんの肩の力もふっと抜けるはずです。
そして、自分を慈しむことができる(セルフコンパッション)ように考え方を少しずつ良い方向へと変えていけるよう、補助をしてあげて欲しいのです。
セルフコンパッションとは、温かい言葉を、自分自身に向けることです。
お子さんに、こんな問いかけをしてみてください。
「もし、あなたの親友が今のあなたと同じように苦しんでいたら、なんて声をかける?」と。
きっと、「ゆっくり休んでいいよ」「今まで頑張りすぎたんだよ」と優しい言葉を選ぶはずです。
「今の自分でも大丈夫」と自分を許すことで、脳の緊張が解け、エネルギーが再充填されるようになります。
「完璧じゃない自分を許すこと」は、シンプルな技術が、しんどい状態から抜け出すための強い心のお守りになるでしょう。
そして、お子さんをシェルターで守っている親御さん、あなた自身も忘れないでください。 完璧な親である必要はありません。
お子さんのために「シェルターになろう」とこの記事を読んでいる時点で、あなたはもう、十分に素晴らしい味方なのです!


