以下は以前ブログに書いた内容です。
https://ameblo.jp/miee58/entry-12534216553.html
急性白血病治療を終え、職場復帰を目の前にしていたAさんは、真菌が原因のニューモシスティス肺炎(PCP)(重症の免疫不全の場合は20~40%が死亡)にかかり、ブログは途絶えました。造血幹細胞移植後に免疫抑制剤やステロイドを服用していたため、好中球やCD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT細胞)などのレベルが減少していたのが原因と考えられます。この肺炎は、バクタ(毎日服用または週3日くらい)またはベナンバックス吸入(月1回吸入)により予防することができます。 ブログが途絶える数日前のブログには、「予防薬でニューモシスティス肺炎は予防できるんだ、痛恨」と書かれていました。悔しさと後悔がにじんでいました。担当の医師がバクタなどのニューモシステイス肺炎予防薬を処方してくれていれば(通常は処方するはず)、現在もAさんは元気に働いているかもしれません。
抗がん剤治療中またはその後の経過観察中に血液検査で、好中球とIg G(抗体)レベル、必要に応じてCD4陽性Tリンパ球数(抗がん剤によってはこれが激減する)をチェックした方が安心です。好中球数は検査項目に通常は入っています。Ig G(抗体)レベルが入ってない場合は前もって言っておけば検査項目に入れてくれます。CD4陽性Tリンパ球数は、通常の検査項目にはないかも知れませんが、言えば外注してくれると思います。
以下は、 好中球数とその対応です(対応は患者の状態等によって異なると思います)
グレード1 < 2000~1500 / マイクロリットル:無治療
グレード2 < 1500~1000 / マイクロリットル:外来管理、無治療
グレード3 < 1000~500 / マイクロリットル:外来管理、感染症の疑いある場合はG-CSF検討
グレード4 < 500 / マイクロリットル: G-CSF投与
*G-CSFは、顆粒球コロニー形成刺激因子の略で、日本で使われているG-CSF製剤は、ノイトロジンやグランなど。
*500/マイクロリットル以下にまで好中球数が減少すると、感染症のリスクがかなり高くなるようです。(死因のほとんどは肺炎で、ニューモシスティス肺炎も含む) [好中球とIg Gレベルが感染リスクを発生させるくらい下がったら、治療を一時中止するか減薬が必要]
*抗がん剤治療中の好中球の減少対策は一般的に行われますが、リツキシマブ(リツキサン)を含む治療を行った場合、治療終了後、3ヶ月~1年までの間に好中球が突然、減少することが時々あるので注意が必要です(遅発性好中球減少症)。
*ニューモシスティス肺炎の原因は,通常CD4陽性Tリンパ球や好中球の減少です(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/94/11/94_11_2342/_pdf)。
*CD4陽性Tリンパ球数が200個/マイクロリットル以下になったらニューモシスティス肺炎予防のための薬剤投与が必要といわれています。
*ベンダムスチンはCD4陽性Tリンパ球数を激減させるので注意が必要と思います[ニューモシスティス肺炎の予防が必要]。