慢性リンパ性白血病(CLL):奇跡の処方せん -11ページ目

慢性リンパ性白血病(CLL):奇跡の処方せん

自分とは到底無縁の病気だと思っていた慢性リンパ性白血病になりました。20万人に1人という確率です。しかも、かなり進行速度が速いようです。

 副作用の心室細動など服薬を中止せざるを得ない状況または、これ以外の特別の理由がない限り、イブルチニブを飲み続ける理由の1つは、「イブルチニブは発がん性がなく骨髄抑制などの副作用があまりないので飲み続けても大丈夫」だからです。イブルチニブやベネトクラックス以前のフルダラビンやシクロフォスファミドは抗がん剤であると同時に発癌作用があり、強い骨髄抑制などの副作用があるため、飲み続けることはできません。そのため、6クールが限度とされていました。

 フルダラビン、シクロフォスファミド、リツキサン併用のFCR療法6クールにより、分子生物学的寛解(CLLリンパ球が白球数の1万分の1まで減少;全血液中には、まだ100万個のCLLリンパ球が存在する)に達した場合でも、5〜6年で再発する人も多くいます(再発までの中央値は7.6年;ただし、これはFCR以前に治療歴がある人の場合であり、初めての治療の人は、長期寛解が得られています)。また、17p染色体欠失および11q欠失の人は、初回治療であっても再発までの期間と生存年数は非常に短いです。

 現在の技術でCLL細胞を検出できる限界が10万個程度ですから、測定器でがんリンパ球の数が0となっても、最大でまだ10万個のCLLリンパ球がいるということになります。イブルチニブにより、分子生物学的寛解に至った場合でも、服用をやめればいずれ再発します(ただし、イブルチニブ以前に治療歴がある人の場合は再発が早く、初回治療の人の場合は、再発までの期間はかなり長いと推察される)。

 分子生物学的寛解ではなく、リンパ球数が正常値近くまで減少した段階で服用をやめれば、すぐに増悪(進行)し始めます。服薬を中断した場合は、治療を開始する前よりずっと速いスピードで進行していきます。なぜなら、弱いがんリンパ球が先に死んでいき、薬剤に抵抗性があったり、増殖速度が速いものが残っているからです。

 

分子生物学的寛解の定義などを修正しました。

定義:「CLLリンパ球が白球数の1万分の1まで減少した場合」としました。日本のSNSの医療情報では、「リンパ球の1万分の1」となっていますが、国際医学雑誌の定義では、「白血球の1万分の1」となっています。

 

分子生物学的寛解に至った場合の再発までの期間は、初回治療の場合と治療歴がある人の場合では異なります。初回治療の場合は長期寛解が得られているようです。