連休が終わってからお店は閑古鳥で「ウチってこんなにリピーターさんのいない店だったっけ?」と呆れてしまうほど...。こういう時間を持て余すような時には新しい商品の試飲をするのもお決まりルーチンなのですが、昨日納品予定のはずのコロンビア ラス・フローレス・ゲイシャが一向に届かず何と閉店間際になっていつもと違う配達員さんが持って来てくださいました。この豆はもう3年くらい続けて買っているので今更試飲しなくてもお里が知れておりますが、それでも先日サンプル試飲をしてみて、今年は少しいつもと違う雰囲気だったのでできれば早いとこ再確認したかったのですけどねえ...。同じゲイシャでも今はパナマが1つ図抜けていて、テロワールの違いからなのかどうしても他の産地のゲイシャはその後塵を拝する構図が出来上がってしまっております。しかし同じコーヒーの生産地としていつまでもそれでは困りますから、どの産地でも様々な工夫を続けていてかなりその差は縮まっているような気がします。特に「カップ・オブ・エクセレンス」などに出品されている商品に関してはかなりそれを強く感じることができるようになりました。数年以上前までは「邪道」扱いだった発酵処理が公認となりましたので、ゲイシャに限らず昨今はそれがブームのようになっております。コーヒーの実を処理する際に土の上に置いておくにせよ水槽に浸けておくにせよ、放置すると自然に発酵は進んでしまいますが、最近は様々な研究結果からそれを意図的に利用することが可能になりました。ワインのように樽に詰めて真空状態にして発酵させるアナエロビックや、空気を抜かずに袋の中で発酵させるなどして、その度合いを意図的に調節するものが増えております。今回のラス・フローレスもダブルファーメンテーションと記載がされておりますので、複数回異なる発酵をかけて味の調節を行っています。真空状態とそうでない環境とでは発酵に関わるバクテリアなどの微生物が違って来る(空気がないと生きられない微生物とそうでないものがある)ためこれを何度か繰り返して意図する方向に仕上げているのだそうです。この辺りになると我々部外者には「へえ、そうなんですか...」と納得するしかないので正直よく分かりませんけどね。でも同じゲイシャという品種でただただ伝統的な精製を施したパナマのそれと、発酵を駆使して処理するコロンビアのゲイシャ、それにそもそもの品種ルーツが別物だというグアテマラのエルインフェルト・ゲイシャとCOE受賞品でもあるペルーのゲイシャと、飲み比べますとそれぞれ全く異なりますのでその意味でもコーヒーって面白いですよね。今年のラス・フローレスは地元のバリスタと連携して栽培を行ったということでちょっと違いますぞという触れ込みでした。売れるか売れないか、どこまで日本の顧客がそれについて来れるのか、別の意味でも興味を感じております。