お値段がお手頃なのでここ数年ずっと買っているコロンビアのゲイシャがまた今年も輸入されたそうで先日輸入商社からメールがあり、既にサンプルも送付したとのことでした。届いてから検討予定ですが恐らくまた今回もいただくことになると思います。例年通りだからサンプルも要らないかなと思ってカッピング・ノートを見ましたら今回は精製法がだいぶ異なるようで所謂「ダブルファーメンテーション」なので記述を見る限り面白そうです。去年もちょっとだけ嫌気発酵をかけておりましたが、今回は地元のバリスタとも連携して数々の工夫を凝らしているようで例年とは少し違うのだそうです。数年ちょっと前までは「邪道」扱いでカップ評価さえしてもらえなかったアナエロビックが他人のフリして黙ってコスタリカ「カップ・オブ・エクセレンス」に出品して優勝しちゃった某農園のお陰で市民権を得て今や堂々と大きな顔をして闊歩するようになりました。コーヒーなんて美味しいことが肝要で、製法云々に異を唱える輩を胡散臭く感じておりましたのでこれも当然の時代の流れなのだと感じます。製造農園のラス・フローレスはピンクブルボンの栽培で有名なウィラ地区にあり、最近は世界中のバリスタからも注目されております。コロンビアのゲイシャはもともとクリアでキレの良いスッキリ系が幅を利かせておりましたが、パナマなどと比べるとアロマの華やかさや分厚さ、コクなどがどうしても見劣りするため価格が多少安くてもお店の主力商品にはなりきれないところがありました。しかしインマクラーダ農園など嫌気発酵を得意とする前衛的な農園がいくつも現れてその差を埋めつつあります。以前はほとんど義理買いに近い商品でしたがこうして精製法に工夫を凝らしてクオリティ・アップを重ねていただくとこちらとしては買いやすくなります。サンプルが届いたらしっかり吟味して買う方向で考えております(勿論結果次第では買わないこともあり得ますが...)。それにしてもタダの出たがりだと思っていたサンチュアリオ農園のカミーロさんが結構あちこちに顔を出していて、さすがという感じが致します。詳細ノートのどこにもその名は出てきませんが、ウィラとポパヤンというほぼお隣同士の地区でもあり、精製の仕方を見ておりますと彼の息がかかっていないはずはないでしょう。農園直ではなく地元の輸出商社扱いなので、出入りの国内輸入商社に確認しても詳細がなかなか伝わって来ませんが、「今年のフローレスはひと味違いますぞ...」と言えるものであることを祈っております。