昨日は昼前になって出入りの商社担当から「今日午後にお邪魔していいですか?」と電話が入りました。どうせヒマしてるから構わないとは言えついこの間来訪いただいたばかりで、「ウチみたいな店にそんなに足繁く通っていただいても何もいいことないでしょ」とひと言告げずにはいられませんでした。要件は何だったかと言いますと時々商社が名古屋支店でやってるカッピングセミナーへのお誘いでしたが、生憎三重珈琲さんというのはこの10数年の間で商社主催のセミナーに参加させていただいたのはパナマからエスメラルダ農園の現農園主レイチェル女史がお見えになって駅前のホテルで講演された時1回のみでして、そう簡単に籠の鳥が外に飛び出すことは無いのであります。「たまには行って来たら?」と言われることもありますが、第一名古屋まで電車に乗ってくことも億劫だし、それに駅を降りて商社のビルまで歩くことも面倒で、ここまで物臭太郎を決め込んでしまうとなあんにもできないんですよね。なのでセミナー参加条件をこっちから1つだけ出すとすれば「どこでもドアを持って来て!」ということになります。従って会話の内容も「セミナーの話はさておいて...」と極力違うテーマに無茶振りするスタイルを貫き通しました。まあしかし折角お越しいただいたのだから、ここは1つ業界の四方山話もご披瀝いただいて、お互いの今後の糧にしましょうよとばかり数十分はお引き留めしましたでしょうか...。いろいろ探りを入れておりますとやはりどうしてもモカの高騰ぶりが話題に上ります。で、取りあえず商社の現在庫のうち担当イチオシのものを確保いただくことに致しました。中米各国どこも生豆がだぶつき気味みたいですが、特に「異変」を感じるのがホンジュラスなのだそうで、2023クロップは出来も良いし、価格も他より高いワケではないのに特に動きが悪くてどうして売れないのか理由がサッパリ掴めないとのこと。「ならばウチで1ついただきましょうか」と言いたかったのですが、実はこれ他の商社からも同じ話が耳に入っておりますので、そのうちどこかでホンジュラスは「損切り特価品」として流れて来そうです。モカも1つ予約したことだし、慌てて飛びつかなくてもどこかでお値打ちに買えるだろうと喉元まで出かかった言葉をぐっと飲み込んだ次第です。こういう価格激変の折にはよく考えないと同じような商品が全く異なる価格で出回りますからババを引くことになるのです。ついでに例によってコーヒー屋の消耗品でもあるエプロンのデッドストックが社内にあればこっそり融通してよとおねだりをすることも忘れませんでした。だって昔は毎年年末にエプロン持参でご挨拶に見えるのがコーヒー商社の定番でしたから、お店で着るエプロンと言うのは商社のロゴがプリントされたいかにも「コーヒー売ってます」と言わんばかりのものを装着するのが当たり前だと思ってました。なのにいつしか経費節減の波に引っかかってカレンダーがそれに取って替わっちゃうのですから、エプロン派の当店としては急に梯子を外されたも同じことであります。それに案外ピッタリ来る使い勝手の良いエプロンって売ってないんですよねえ。持ちつ持たれつ、またどこかで多少の無理もお聞きしますからカッコいいデザインのものが眠ってたら貧乏な三重珈琲にお恵み下さいまし...、情けは人のためならずでしょ?