父は91歳介護老人保険施設に
お世話になっている
コロナで面会制限があり
今日は2年ぶり以上で直接面会ができた
ガラス越しの面会は筆談になり
父は首を振るだけに終わっていた
直接面会なら話が通じると期待していた
今日は車椅子で降りてきた父
今年の春会った時より痩せている
おでこに赤い線が入っている
表情も乏しく正気がなかった
父は私と弟を見て泣いた
職員さんから最近は喋らないと
聞かされていた
おでこの赤い線は夜中の不穏で
ベット柵にぶつけたものだった
介護度は要介護3になった
私はつい2.3年前までダメンズの父の事が
大嫌いだった
嫌い続けるのもパワーがいる
だんだん年老いたきた父をみながら
私の怒りの感情も少なくなってきた
目の前にいる父はもう老人でしかなく
敵意を持つ事はない
随分歳をとってしまった
昔のように人の悪口を言わない
あんなにおしゃべりだった人が話さない
大きな声で言えば聴こえていて返事は
あり小声だけど喋った
施設は良くしてくださるから
安心してお任せてしていた
父はそれなり元気だと思っていた
しかし生活を抑制された2年は
父を変えてしまった
私は思った
父は後どれぐらい生きられるのだろう
食欲はあるという
まだまだ生きてくれるかもしれない
いやまだ生きていて欲しいのだ
まだ私は父を送る心構えができていない
嫌いだった父でも今はまだ死なれたくない
漠然と後5年は生きていて欲しいと思った
寝たきりななるかもしれない
それでもまだ生きていて欲しいのだ
15分の面会を終えた
父が喋ったと職員さんは驚嫌い喜んでくれた
大事にしてもらっている
ありがたい事だ
父にとってやはり家族はいいもの
なんだろう
幸いな事に来月の面会予約が取れた
香川でもコロナがまた増えている
今は予定通り面会ができる事を望む
父は確実に人生の最後に向かっている
現実なのだ