プール開きだった昨日には、ふさわしい華氏82度(摂氏25度くらい)。でも今朝は打って変わって、34度(2度くらい)。日中も50度(10度くらい)にしかならず、


もうプールなんて寒くて見たくない!!o(TωT )  ってほど寒かったです。




プールと言えば、3年前長男が遊んでもらった男の子のことを必ず思い出します。


ちょうど次男が生まれた年。首が据わらないうちから抱きかかえて、ハイパー5歳児の長男を毎日のようにアパートのプールへ連れ出してました。その時、プールの管理人としてバイトしていたメキシコ人女性の子供たちも付き添いでやってきてはプールで遊んでおり、長男も交ぜてもらってました。



3人の子供たちの中で、一番年上の男の子、人懐っこくて、聴いてもない事をべらべらしゃべってたの。「そんなことまでバラしていいの?」って何度思ったことか・・・。


その一つ。


両親とその子は、国境を渡って来た(つまりは不法入国です)。


貧困から抜け出すために、隣国であるアメリカにメキシコから命がけで渡って来る人は多い。特にここ中西部の大都市近郊は、そんなメキシコ系が多く住みコミュニティーもあるし、仕事も多いということで、流入者が後を絶ちません。


アメリカで1年働けば、故郷に家を建てられる が通説。アメリカでのどんな低収入でどんなにキツイ仕事でも本国に比べたら天と地のさがあるのだそうです。


そのために、手引き業者に多額の金を払ってここまでやってくるのです。時には国境を無事渡ったのち、当局の厳しい目を潜り抜けて、アメリカ南部から業務用のバンに50人ほどが折り重なるようにして運ばれてくる事もあるんだとか。


その子もどうにかして、ここまでやってきたのでしょう。そして苦労してきたその子が発した一言。


「アメリカの1ドルはメキシコの10ドルなんだよ!」


1ドルショップで買ったプールで遊ぶおもちゃを大量に持っていた私たち親子に渇を入れてくれました。


普段はダラーショップも行ったことない、って人たちとのお付き合いばっかりで、ダラーショップで買い物してるのが恥ずかしいぐらいな時だったので、「この子とならダラーショップの魅力を分かち合えるかも」と思って、「最近はこんないいものが1ドルなのね~」と言ってしまったら、あんな答えが返ってきました。




低収入の仕事、と言ったら当時は5,6ドルくらいからだったけど、それでもメキシコでは5、60ドル。1年も働けば相当なお金になります。


店長(夫)の前の職場にも倉庫で働いている何人かが不法でしたが・・・、彼らは国に家族を置いて仕送りをしながらアメリカで仕事を続けてました。


それにしてもアメリカの1ドルはメキシコの10ドル・・・。10ドルで何が買えるんだろう。物価は?ってな事を考えて見たり・・・手に取る商品、全部メキシコドル換算してしまう私・・・汗。


例えば前の学校は強制で、PTA会費を払わなくてはいけなかったのだけど、それが数十ドル。メキシコだったら・・・数百ドル?とか10ドルのおもちゃ、これがメキシコだったら・・・などなど・・・。



うちは富裕層ではないけど、それなりの生活はしてるし、日本人と言う事で、アメリカ人の中でもちゃんと教育を受けてきた人や定職に就いてる人のご家庭との交流がほとんどで、日本人は駐在・永住に関わらずまともなご家庭とのお付き合いばっかりだったから、もしかしたら、「アメリカの1ドルは・・・」の話は一生知らないままだったかもしれない。


アメリカは、住む場所によって、これでもかというくらい所得層が変わるから、大体同じような金銭感覚を持つ人たちで地域が作られている傾向があるので、なおさら知らない世界も大きいはず。


でも、ある意味、「隣の芝生はことごとく青く見える」というか、時に生活も比べてしまうようなワタクシは、違う世界を見せてくれた少年に出会えたことに感謝してるのです。


不法滞在者の扱いについては、賛否両論いろいろだから今はここでは追及しないけど、どんな人生であれ、あの少年には真っ直ぐ幸せになって欲しいなぁ・・・・


今頃どうしてるんだろう。