毎日、バス停で顔を合わせるニコル(女の子)のおばあちゃん。皺の深い豊かな顔で、日本人のように会釈をして挨拶をしてくれる。


アメリカ流に軽く「ハ~イ」と声を掛ける私、ちょっと恥ずかしくなる。


おばあちゃん、全く英語が話せない。今まで通じた言葉「ブス(バス)」「ライター(レイター=遅い)」。


その他はほっとんど ブルガリア語目


会話を始めたその時からずっとブルガリア語。この辺ではポーランド系が多いので思わず最初に


「・・・ポーリッシュ?(ポーランド人)」と聞いてしまった。本当は最初に聞くのは失礼な質問だけど耳慣れないサウンドに反応してしまった。


「ノ(ノー)、ブルガリアン」 道理でポーランド語と響きが違うわけだ。


聞いたなら今度はこっちが何人かを伝えなくては、ブルガリア語で日本人て何と言う?ドイツ語だと日本は確かヤーパン。隣国の言葉なら少しは理解できるかな


「ヤ、ヤーパン」・・・それって日本じゃなくて日本、だけど・・・でも通じた


「アァ~、 ヤポンカ!」


私がブルガリア語が全く話せないということは重々分かっていながら、とにかく果敢にブルガリア語で話しを続けてくるおばあちゃん。


きっと、日中一人で過ごしているんだろうな。何とか話し相手になってあげたいが、本当に英語が分からない。私もブルガリア語は全く分からない。


時々日本人で「英語、全くダメなんです」という人がいるけど拒否反応があって耳を塞いでしまう人以外はゆっくり簡単な英語を話してもらえばなんとか相手が言っている事は分かる場合が多い。


でもこの状況、本当にお互い全く分からない。言葉が分からないと言うのはこういう事なんだ。


「日本では、ブルガリア出身の琴欧州(?)という人が有名なのよ、ブルガリアという名前のヨーグルトもすごく人気」


きっとカタコトの英語と世界の文化をかじったことがあれば通じる事なんだけど、これすらも伝わらない。



おばあちゃんはたぶん60代後半から70代ぐらい。そのお年だと、きっと共産主義東欧崩壊など


私たちがテレビで見てきたことを実際に体験したり見たりしてきたんだろう。でも苦労が多いだけ笑顔が深いな。


全く違う国から、家族と一緒とは言え年をとってから移住してきたのはさぞかし大変だったろう。 私の場合、


アメリカ文化が蔓延している日本からだって、若さがあったから来れたようなもの




今、夫は他州での就職を考えている。 本当はそっちの仕事をしたいんだと思う。


      他州で暮らす=外国に移ると同じようなこと。


でも彼は一人じゃない、家族と言う守るものがあって21歳でアメリカに来た時のような何でも冒険してやるぞという気持ちにはなりきれてない。


私は良い。引越しと新しい暮らしが大変なだけ。でも年の分だけ面の皮も厚くなった。大丈夫、なんとかやっていけるよ、きっと・・・たぶん。


次男もまだ2歳。まだまだこれから。


でも長男はどう? 彼は1年生になったばっかり。キンダーガーテンから1年生に移る際だって引越しで転校させたと言うのに、今度は年度途中で転校?


それもこの外国人が多い地域から、 白人99%の土地へ?人種差別もある土地へ?


彼のことを考えたらもうちょっと落ち着いた暮らしをさせてあげるべき。でももう一方では


生まれ育った町から他の場所へ移るのは怖いことじゃない、そんなことも経験して欲しい。


して欲しい?本当? だとしたらつべこべ言ってないで親が最初に行動したら?と言われそう。




そう、きっと夫と私が怖いのかな。新しい場所へ移ること。


30代だから・・・・子供がいるから・・・・。引越しが面倒だから・・・。私は高速で時速80キロ平均で10時間も運転できないから・・・。


理由はいくらでもある。理由・・・言い訳か。



どうするよ、夫。


妻はストレスで暴飲暴食が続きそうです←こじつけかって言われそうだけどさ。