やっぱり二宮和也が好き~大好物はニノの眉間のしわです♡~ -9ページ目
とりあえず、よかった。

なんとか仕事は休まなくてすみそうだ。

1週間くらい前から腕にしびれがあった。

予約のお客様が急にキャンセルになったので、朝イチで整形外科を受診することができた。

ただの疲れということだ。それとストレス。
疲れとストレスは母親にはつきものだ。
仕事をしていれば、それはなおさら。


「いつか2人のサロンを持ちたいね。」

そう言うと、カズはいつも決まって笑った。

「カズが髪を切ったり、カラーをしたり。
そのすみっこのほうで私がネイルやアロマができたらいいなあ。」

和「んふふ。そうだね。」

いつもそれだけ言うと、ニコニコしながら私の髪をなでてくれた。

和「キレイな髪だね。」


カズがいなくなってから、私は無理をして都内に店舗を借りてサロンをオープンさせた。
両親は帰ってこいと言ってくれたが、カズの家族も住む田舎には戻りたくなかった。
お葬式のとき、お義母さんはごめんねと私に謝り、若いんだから籍はぬいていいのよ、とだけ言って静かに泣いていた。
そんなお義母さんに私はなにも言うことができないまま、ただうつむいていたように思う。

カズとのお店だから。

お店の名前をkazにした。
ありがたいことにkazは土日お休みさせてもらっているにもかかわらず、そこそこ親子2人食べていけるだけのお店になっていた。


会計に向かう廊下の途中にガラス張りのリハビリルームがあった。
なにげなく中を見ていると、遠目に誰かと目があったような気がした。
無意識にもう一度見ると、また目があう。
ピョコっと彼が頭を下げたので、私も軽く会釈した。

立ち止まっては、いけない。

私は足早にリハビリルームを通り過ぎた。