ただお前がずっと笑っててくれれば。
それだけで。
それだけでよかったんだよね。
高校にはいってすぐに、俺はお前を見つけた。
お前はすごく小さくて。
すげえ髪が長くって、サラサラだなあって。
お前を見てるとさ。
なんていうか。
触ろうとしても触れない、なんか水色の空気みたいな。なんか消えちゃいそうな女だなあって思ったんだ。
俺はお前が消えちゃわないうちにさ。
お前をはやく俺のもんにしなきゃってあせったね。
生まれてはじめて好きだ、って言ったんだぜ。
お前はほんとに、ほんとにすげえ驚いてたね。
今でもさ。
なんでお前がうん、って言ってくれたんだろうって思うよ。
俺なんか。
全然タイプじゃなかったでしょ?
東京に行くって言ったときもお前はうん、って言ってくれた。
結婚しよっか、って言ったときも。
いつも笑いながら。
うん、って。
ほんとに。
ほんとに大切だったんだよ。
ほんとに他になにもいらなかったんだ。俺。
いろんなこと。
気づいてあげられなくて、悪かったね。
