やっぱり二宮和也が好き~大好物はニノの眉間のしわです♡~ -7ページ目
目を奪われたんだ。
ガラスの向こう側の水色のキラキラした人に。

目があっちゃったから、なんか反射的に頭を下げた。

少し困った顔をしてその人は行っちゃった。

彼女だ、って気づいたら、俺の足が自分勝手に彼女を追った。


雅「あの。」

薄い水色のコートを着た彼女は待合室の一番端に少しうつむいて座っていた。

雅「こんにちは。」

彼女は聞こえなかったのか、しばらくしてから顔をあげた。

 「あ、先生。」

たぶんそれがはじめて彼女が俺に話した言葉だ。

雅「どーも。」

彼女はまたうつむいて、サラサラの髪を少し揺らしただけでそれに応えた。

もしかしてこの前、優和ちゃんに言ったことで変なヤツだと思われてる?

雅「俺普段はここで働いてるんです。
リハビリとか、スポーツトレーナーとかやってて。」

あわてて自分を説明した。

雅「今日はどうしたんですか?」

医者か、というような事も聞いていた。

 「…ちょっと。」

うつむいたまま、彼女の左腕が右腕を軽くおさえた。

雅「リハビリとかやっていきますか?」

口が勝手な事を聞いている。

 「大丈夫です。」

雅「よくここ来るんですか。」

 「いえ。」

髪が横にフルフルと揺れる。

雅「そうですよね。
 なに言ってんだ、俺。」

ヤバい。このままじゃもっと変なヤツだと思われる。
じゃあ、ってとりあえず立ち去ろうとした時、彼女はうつむいていた顔をあげて、ゆっくりと俺の顔を見上げた。

 「親切なんですね。」

雅「だ、誰にでもってわけじゃないですよ。」

 「ふふふ。
  こうゆうとこで働いてるんだから、誰にでもじゃなきゃ、ダメじゃないですか。」

そう言って、彼女は俺の目の前で笑顔を見せた。

『相田茉沙希さーん。相田さーん。』

その笑顔に見とれていると、自分の名前が呼ばれたのかと我にかえった。

雅「あ、会計。呼ばれてますよ。」

 「あ、…じゃあ。」

彼女は立ち上がって、また小さく髪を揺らした。

雅「俺も。
 俺も雅紀ってゆうんです。相葉雅紀。
 に、似てますね。名前。」

彼女は少しだけ目を大きく開いたあと、今度は細めて、ふふふと笑った。

「そうですね。」

彼女の後ろ姿を見つめながら、俺の頭は自分の言ったことに変なとこがなかったか確認していた。

変なとこだらけだった。

帰り際、彼女はちょっと振り向いて、俺を見つけて、会釈した。

大丈夫。
変なとこはなかったらしい。

俺は浮かれて、つい振りそうになった右手をあわててひっこめた。