…かあちゃん、はまずいだろ。
年だってたぶんかなり上だよな。
いや年とかそうゆう問題じゃねーんじゃね。
旦那がいるだろーよ!
旦那さんとか優和ちゃんとか絶対ダメだよ。
ぜーったいダメ!
ダメだ。
絶対見ちゃダメだ。
絶対見るんじゃねーぞ!俺。
__トントン。
不意に肩をたたかれた俺は必要以上にビクってなったと思う。
「先生、ビックリしすぎ。ふふふ。」
振り向くと、しゃがんでる俺を取り囲むようにいつも3人組で仲の良い女の子たちがいた。
「今先生の名前がなんてゆうのか、3人であてっこしてたの。」
雅「ちゃんと真面目にマットやんなさい。」
「先生だってボーッとしてたじゃん。」
雅「してないよ。」
「してたもん。」
「ねえ、お名前なんてゆうの?」
かわるがわるに女の子たちはしゃべった。
雅「教えたらちゃんとやってくれる?」
「うん!」
女の子たちは今度は一斉に首を上下に動かした。
雅「雅紀。」
「…ふーん。」
聞いといて全く興味のなさそうな反応に俺は笑った。
雅「なんだよ、それ!」
「ふふふふふふ。」
「雅紀、だってー。」
女の子たちはもとの場所に戻ってもまだクスクスしながら背中を押しあった。
普通にな。
意識すんなよ。
そう意識しながら、マットに寝転んでキチンと揃えた足を高くあげている優和ちゃんの横を通り過ぎようとした。
「おんなじ。」
自分から話しかけてきたことなどないおとなしい彼女が珍しくなにか俺に言ってきた。
雅「…ん?」
俺は特別扱いしないように意識しながら、彼女の横にしゃがみこんだ。
「おんなじ名前。」
雅「誰が?」
「先生と。」
雅「誰が?」
「ママが。」
雅「…。」
「茉沙希ってゆうの。優和のママ。」
…ヤバい。
急にこちらに顔をむけて彼女は微笑んだ。
「スゴイね!おんなじ名前。」
そうゆうのって俺的になんかすっごくヤバい。
雅「へー。そうなんだ。」
「スゴイね!男と女なのにね!」
優和ちゃんは無邪気さ全開でうれしそうに笑った。
雅「ママ、綺麗だね。」
あまりにうれしそうに笑っているから、つい俺は言わなくていいことを言った。
「ほんと?ふふふ。ママに言っとく!」
そう言うと、彼女は誇らしげにさらに足をピンとさせて上に伸ばした。
ヤバいだろ。
今のは全部ヤバいだろ。
やっぱり俺はバカなのだろうか。
