14


 翌日、私は泣きはらした目のまま出社した

 席に着いた桃花を見たとき、化粧がいつもと違う気がしたが、明るく挨拶する桃花をみて、デートは成功したんだろうと思った。

 グンソクも変わらない。明るく話かけてくるが、私は目を合わすことも出来なかった。ぼろぼろの状態で、なんとか仕事をこなしている、そんな感じだ。

(しっかりしなきゃ。グンソクは同僚、ちょっと仲良くなっただけ)

 そう、何回も自分に言い聞かせていた。

 

 仕事終わりに、桃花にお茶に誘われた。デートの報告だろう。 

「私、グンソクさんに振られました」

 

「え?」

「私、自分から告白して振られたことないんです。だから、今回もすぐには無理でも、絶対グンソクさんを振り向かせる自信があったんですけど……最後は女の武器の涙まで使ったのに、だめでした」

 

  悪びれた風もなく、桃花は話す。

 

「好きな人がいるからって。もしかしたら友達のままで終わって、韓国に戻るようかもしれないけど、それでも諦めたくないって、言われちゃいました」

 

「誰のことか、美月さん、わかりますよね。そこまで恋愛偏差値低くないですよね?」

 

年下に、ずばずば言われる。

 

「本当はもうちょっと黙っておくつもりでした。私、振られたんですから、それぐらいの意地悪しても許されるでしょ。でも、今日の美月さん、酷過ぎです。目は腫れてるし、元気ないし、グンソクさんへの態度おかしいし」

 
「いい歳なんですから、泣きはらし時の対処法ぐらい知ってないと」そう言って、桃花は自分の目を指さした。

 

「まあ、恋敵を応援しちゃうのが美月さんだから、仕方ないかな」