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朝、目が覚めると、いつもと違う天井が目に入る。周りを見回し、グンソクの部屋だと分かった。
「グンソクのベッドに寝てるんだ……このシーツ、気持ちいい……。私も買っちゃおうかな……」
「やっと起きたか?」その声で、私は一気に目が覚めた。
(え?? グンソクの声? 何で私、グンソクのベッドに?)
慌てて、布団の中を覗く。服は着ていた。
「俺が、酔ってる女をおそうと思ってたのかよ?」
グンソクは朝から意地悪な笑みを浮かべている。でも、すぐ真顔になって
「きのう、ふたりとも飲みすぎたみたい。お前、お店で寝ちゃうし、マンション知らないし。だから、うちに連れてきた」
グンソクは淹れたてのコーヒーを手渡しながら、
「なあ、今日どこかに出かけない? 美月のマンションに行って着替えてからさ。そしたら、美月のマンションの場所もおぼえられるし」
でも、私はとてもそんな気にはなれなかった。
「ごめん、コーヒー飲んだら帰るね。飲みすぎたみたい。迷惑かけてごめんね」
二日酔いになっているのは本当だけど、それ以上に、一晩同じ部屋にいて何もなかったことがショックだった。グンソクが酔っている女に手を出すような男ではないことは、よくわかっていた。それでも……
(私はグンソクにとって女じゃないんだよね。単なる飲み友達)
そのことが、私を苦しめた。