★★★国策捜査と恫喝の果てに
自主と対米追随の戦後の日本の政治家を見ています。
この中から自主派の政治家は、アメリカに次々と葬り去られていきます。
残るのは対米追随派の政治家たち、、、、
アメリカは反米的な政治家はいらない、、、、
必要なのは、しっぽを振って言いなりになる政治家だけ、、、、
そのアメリカに葬られていく自主派の政治家を見ていきます。
今、いるのは対米追随派の政治家だけ、自主派の政治家はいません。
情けない国になり果てました。
●自主派 ●対米追随派
重光葵 吉田茂
石橋湛山 池田勇人
芦田均 三木武夫
岸信介 中曽根康弘
鳩山一郎 小泉純一郎
田中角栄 森喜朗
鳩山由紀夫 安倍晋三
小沢一郎 麻生太郎
福田赳夫 菅直人
橋本龍太郎 野田佳彦
佐藤栄作
竹下登
梶山静六
★在日米軍は不要だと明言した小沢一郎
●在日米軍は不要だ
09年2月24日、奈良県香芝市で小沢一郎は、次のような発言をした。
「米国もこの時代、前線に部隊を置いておく意味はあまりない。
軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンスは、第七艦隊で十分だ」
つまり小沢は、在日米軍は不要だと明言したのです。
この発言を、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞などが一斉に報じた。
そしてこの発言から一か月も経ってっいない09年3月3日西松建設社長他が
逮捕される事件が起きます。
この事件により小沢は、民主党代表を辞任するのです。
そして後継者に鳩山由紀夫を担ぎ出す。
〇第七艦隊
第七艦隊はアメリカ海軍の艦隊の一つです。
2020年7月現在、アメリカ海軍は7つあります。
このなかで、日本を拠点として活動しているのが、第七艦隊です。
第七艦隊は、横須賀海軍施設に司令部を置いています。
第七艦隊は、最も規模が大きく最も強いと言われています。
日本を事実上の母港として活動しています。
その在日米軍を不要といったのだから、小沢がアメリカに狙われるのは当然です。
そして09年9月総選挙で、政権交代を果たし、鳩山政権を誕生させ
小沢は民主党幹事長に就任します。
ここから小沢はアメリカに対し、真っ向から反撃に出ます。
●検察の許されない国策捜査
小沢は鳩山と政権発足とともに、東アジア共同体構想を打ち出します。
つまり対米従属から脱却し、東アジアに外交の軸足を移すことを宣言したのです。
さらに小沢は、09年12月民主党議員143名、一般参加者483名という大訪中団を
引き連れて中国を訪問した。
そして胡錦涛主席を訪問し、宮内庁にも働きかけて、習近平副主席と天皇陛下の
会見もセッティングしたのです。
鳩山も沖縄の米軍基地を、最低でも県外に移設することを宣言、実行に移そうとする。
ところが、その後、小沢の政治資金問題は異様な経緯をたどります。
しかし、結局、10年2月に不起訴になる。
しかし、検察が小沢の秘書を逮捕したことで、小沢は党代表を辞任せざるを得なくなった。
検察のこの逮捕がなければ、小沢は確実に首相になっていた。
西松建設事件、陸山会事件、この一連の事件は、小沢の秘書が逮捕されたことで
小沢は民主党代表を辞任せざるを得なくなった。
そして後継者に鳩山由紀夫を担ぎ出す、、、
小沢自身も民主党幹事長の座についた、、、
つまりこの時点で、検察は小沢の息のねを完全に止めることができなかった。
そのため、検察とマスコミの力をフルに動員して、検察は小沢を無理やり起訴に持ち込んだ。
小沢は最初から
国策捜査だ、、、、
不公正な国家権力、検察権力の行使である、、、、と批判してきたが
結局その通りになった、、、、
政治に対して検察が、ここまで介入することは許されない、、、
初公判の陳述で小沢一郎は、こう検察を罵った。
「本件が特に許せないのは、国民の負託を受けていない検察が、議会制民主主義を
踏みにじり、国民主権を冒涜したことだ。
検察が、捜査、逮捕権を乱用し、当時、野党第一党の代表だった私を狙って
強制捜査をした。
恣意的な権力行使が許されるなら、民主主義国家とはいえない」
一連の小沢事件は、ほぼ確実に首相になっていた政治家を、検察とマスコミが
結託して激しい攻撃を加え、失脚させた事件です。
●検察とアメリカは戦前からの深い仲
小沢を捜査したのは、東京地検特捜部という、政治家の汚職などを扱い
巨悪を暴く司法界の花形というイメージで見られているところです。
東京地検特捜部は、歴史的にアメリカと深いかかわりをもっています。
東京地検特捜部とアメリカの関係は、占領が終わった後も続いています。
そんな東京地検特捜部が小沢を国策捜査して、起訴にもちこむなど簡単な話です。
アメリカに都合の悪い政治家がいれば、無理やり起訴すれば世間はそう見る、、、
そこにマスコミが、これでもかと報道する、そうして政界から葬っていく、、、、、
だから検察は、巨悪を暴くのではなく、自分たち自身が巨悪の根源なのです。
アメリカの手先です。
日本の自主派の政治家が、こうやって何人も失脚させられたことか、、、、
いつまでたっても、何十年とたっても独立国と言えないのは、こういう対米追随派の政治家の
連中の集まりが日本の政界だからです。
★最低でも県外と明言して、総攻撃を受けた鳩山由紀夫
小沢に担ぎ出された鳩山由紀夫も、数少ない自主派の政治家です。
彼の祖父が鳩山一郎です。
鳩山一郎は、日本民主党として初代の首相に就任しました。
極端な対米追随派の吉田茂に反発して、自由党を割り日本民主党を結成しました。
そして岸信介を幹事長に据え、防衛分担金の削減に取り組み実現させました。
すごいですね、このころの政治家は、今と違ってきちっと米国に物申す人がいました。
09年9月に鳩山由紀夫政権が、成立すると鳩山首相は有事駐留という言葉を持ち出す。
小沢一郎が、第七艦隊は不要と発言した時と同様、鳩山由紀夫は有事駐留と発言した。
〇有事駐留
普段から米軍が駐留する常時駐留ではなく、有事の際だけ日本に駐留する考え方です。
この有事駐留発言で、日米関係を全く理解していないとして、自民党、メディア、評論家
などから激しく非難されました。
有事駐留もそうですが、鳩山が県外移転を主張し、日米双方の関係者から
総攻撃を受けることになります。
そして政権をゆるがす問題にまで発展するのです。
鳩山は国民の望むことを実行しようとしました。
しかし、普天間基地を県外や国外ではなく、沖縄の辺野古へ移すべきだと主張した
人々がいる。
その人たちは、次のようなことを考えていたのです。
一、国際的な約束を破ることに問題がある。
一、日米関係を壊すことになる。
一、沖縄に海兵隊が駐留しないと、抑止力にならない。
日本は民主主義の国、、、と表向きはそうなっています。
その民主主義で最も重要なのは、国民の意志です。
鳩山は選挙で、最低でも県外、、、を掲げて選挙に勝ったのです。
その国民の意志を尊重して、公約を実現するのは当然のことです。
国際的な約束うんぬんではありません。
また、最低でも県外に移すことが、日米関係を壊すことになるのでしょうか。
日本には世界最大規模の、米国海軍、空軍基地があります。
しかも日本は、基地受け入れ国としての経費は、ドイツの3倍、イギリスの20倍
全NATO諸国の1・6倍で世界の半分以上も負担しているのです。
普天間基地一つなくなったとしても、横須賀、佐世保、三沢、横田、嘉手納など
日本ほど米軍を優遇している国は、世界のどこにもありません。
なぜそんなに普天間一つのことで、米国からも日本からも総攻撃を受けて
鳩山首相が辞任させられることになるのでしょうか。
また、沖縄に海兵隊がいないと抑止力にならないと言うが、海兵隊というのは
緊急展開部隊です。
日本の防衛とは直接関係がありません。
普天間基地に、海兵隊を置いているのはあくまで米国の都合です。
さらに普天間一つのことで、アメリカは日本に恫喝を繰り返しました。
ゲーツ国防長官は、09年10月20日に来日し、この問題を11月に訪日する
オバマ大統領の訪問日までに解決するよう強く迫った。
さらに産経新聞は、09年12月5付けで
【ルース駐日大使は、岡田外相と北沢防衛相を前に、顔を真っ赤にして大声を
張り上げ、怒りをあらわにした】
と伝えています、こういう記事を載せる産経もアメリカの手先です。
こうしたアメリカからの圧力に屈し、岡田外相も北沢防衛相も、早々と
鳩山首相を見捨てたのです。
そして外務省、防衛省の官僚たちも、県外移転実現のための努力をした
痕跡が一切見当たりません。
これらの人物は、いったいどこの国の人間なのでしょう、、、、、
日本の首相の意向よりアメリカの意向を優先するという、日本の官僚、政治家たち。
結局、鳩山首相はわずか9か月で、辞任に追い込まれました。
アメリカに潰された政治家たち著孫崎享