教師だった日々を思い出す
『飛び跳ねる教室・リターンズ』(千葉聡、時事通信社)を読んだ。
歌人で、中学校の教員をしている生徒たちに「ちばさと」と呼ばれる筆者が、「学校」での日々をリアルに描く短歌を交えたエッセイだ。
典型的な「でもしか先生」が、壁にぶつかり、生徒にダメ出しされたりしながらも、教員の仕事に精を出すようになる自伝的なもの。
はさまれる短歌がとてもいい。
私は前作『飛び跳ねる教室』を読んでいたので、その続きも読みたくなって読んだ。
ただ、この本は、絶版になった前作に高校教師になってからのた新たな部分を加えた本である。
だから少し買うのを迷ったが、前作はもう処分していたことだし、まあもう一度読むのも悪くないと思い購入した。
短歌の部分は、二度目でも、やっぱり面白かったし、サイエンス高校という新しい学校の様子もわかり、そこも面白かった。
これからは、こういう学校がきっとどんどん増えるのだろう。
読みながら、教師だった日々の思いをなつかしく思いだした。
また、解説の枡野浩一の文章も面白く読んだ。
最後に、この本の中の短歌をいくつか紹介して終わる。
・中三でドストエフスキー読んでいて「なんかいいね」と言う女の子
・「きをーつけ、れい、ありがとうございました」この明るさはきっとバレー部
・学校に来ない生徒をふと思う 皿にカレーのすじを残して
・生徒たちは何を望んでいるのかと授業プランをまた書き直す