また若者がマルクスを読む時代が来てもいい

 

『若者よ、マルクスを読もう(20歳代の模索と情熱)』(内田樹・石川康宏、かもがわ出版)を読んだ。

 20歳代の若い頃に書かれたマルクス初期の五つの著作をめぐる往復書簡だ。


若者に読んでくれという本を、私のような老人が読んでもなあと思いつつも、ぼけ防止をかねて読んでみた。

難解でもっと苦労するかと思ったが、何とかそれなりに読めた。

大学時代に『共産党宣言』や『資本論』(途中で挫折)など数冊は読んだが、ここで取り上げられている『ユダヤ人問題によせて』『ヘーゲル法哲学批判序説』『経済学・哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』は全く読んでいなかった。

 

そこで、どんなことが書いてあるのか興味があり、読んだのだが、二十代でもうここまで考えていたんだねと面白く読んだ。

内田さんが、「マルクスを読むと自分で問題を解決しようという意欲がわく」とか、『疎外』された労働などの言葉にに「抑圧される人々へのマルクスの熱い思いを共感してほしい」などと、マルクスを読む意義を若い人びとに語っているところがよかった。

今、斉藤幸平さんの影響かもしれないが、東大の書店でも『資本論』の文庫が売れているらしい。

 

また若者がマルクスを読む時代が来てもいいよなと思った。