カンニングに対する行きすぎた処分

3/22(金) の「Yahoo!ニュース」 で、カンニングの生徒が自殺したと言う記事を見た。

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カンニングの高2死亡「指導が原因」 両親が学校側提訴へ

 進学校で知られる私立清風高校(大阪市天王寺区)の男子生徒(当時17歳)が試験でのカンニング後に自殺したのは、教師らの不適切な指導が原因だとして、両親が近く、学校側に計約1億円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こす。両親側は、教師らがカンニングをする人間を「ひきょう者」と表現していたことが生徒を心理的に追い詰めたと訴えている。

【写真】処分は「写経80枚」 生徒が実際に書いた字

 一方、学校側が設置した第三者委員会は、指導と自殺との因果関係を否定している。

 訴状によると、高2の生徒は2021年12月、倫理・政経の期末試験でカンニングをしているのが監督官に見つかった。別室で複数の教師に叱責され、全科目0点▽自宅謹慎8日間▽写経80枚▽反省文の作成――といった処分を受けた。生徒は2日後、自宅近くで倒れているのが見つかり、死亡が確認された。遺書には「このまま周りからひきょう者と思われながら生きていく方が怖くなってきました」とつづられていた。

 両親側は、カンニングがルール違反であり学校の指導と叱責を受けるのは当然としつつ、副校長が日ごろから朝礼で「カンニングはひきょう者がすることだ」と訓話していたと指摘。カンニング発覚後の別室でも、生徒がその場で書いた反省文を見た別の教員が「ひきょう者」の訓話を持ち出し、必要があれば加筆するよう促していたなどとして「ひきょう者という評価を受けながら生きていくしかないという絶望感を抱かせた」と学校側の安全配慮義務違反を主張している。

 両親側の代理人を務める浜田雄久弁護士(大阪弁護士会)は「子どもによって言葉の受け取り方は異なり、学校側はその影響を考えるべきだった」と指摘する。

 ◇第三者委「自殺に追い込んではいない」

 学校側は生徒の死後、弁護士らでつくる第三者委を設け、指導に問題がなかったかを調べた。第三者委は報告書で「ひきょう者という言葉は自死に一定影響した」としつつ、同じ訓話を聞いてカンニングをした複数の生徒が謹慎処分後に復学しているなどとして「自殺に追い込んだとまでは言い難い」と結論付けた。

 同校を運営する学校法人「清風学園」(大阪市)は取材に「生徒が亡くなった事実を重く受け止め、今後同様のことが起こらないよう生徒指導も言動に気を付けて丁寧に対応している」とコメントした。【安元久美子】
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 この学校での今回の処分「全科目0点▽自宅謹慎8日間▽写経80枚▽反省文の作成」というのが、 「自殺に追い込ん」だかどうかだが、その可能性は無いとはいえない。

 まず、なぜ、カンニングをしようとしたのかが気になる。 「進学校」の生徒が、英語や数学ならともかく、「倫理・政経」の単位が取れそうになかったとは考えにくいからだ。

 よほど担当の教員が難しい問題を出しているのだろうか、それとも学年末なので、それに進級がかかっていたのか、もう少し内情がわからないとなんとも言えない。

 
それにしても、今のこの時代に「全科目0点▽自宅謹慎8日間▽写経80枚▽反省文の作成」という処分は厳しすぎる。

 何十年も昔は、これくらいの学校は多かったかもしれないが、今は0点になるだけでも、さまざまな点で大きな不利になるため、「二重罰」を避けようとそれ以外の罰は、ほとんどの学校ではかなり少なくなっている。写経させる学校など皆無と言っていい。

 それどころか、0点になる科目も、それ以前の科目にしたり、当該科目だけのところも増え、謹慎も次の日からのテストは別室で受験させて考査がすべて終わってから謹慎に入る。

 謹慎の日数も、法に触れる犯罪ならともかく、カンニングで8日もさせる学校はほとんどないはずだ。


  この事件をきっかけに、おそらくカンニングに対する処分を変える学校が増えるだろうと思う。

 それから、もっと大事なことは、カンニングをしなくてもいいように、成績不良の生徒にきちんと事前指導をすることだ。

 

 それでも指導に従わず、カンニングした場合は厳しい処分もありかもしれないが。