教育雑誌から考える

 

今回もまた、教員の多忙の問題である。

 

古い雑誌を処分するというので、図書館から『総合教育技術 2014年10月号』をもらってきた。

 

特集が「『教師の多忙』を改善する学級経営」だったからだ。

 

10年前の本だが、このときすでに危機意識を持って何とかせねばと思っていた人はたくさんいたのである。

 

まず、OECDが実施した勤務実態調査のデータ(2013年、中学校対象)が載っている。

 

それによれば、1学級の人数は参加国平均24人に対して、日本は31人。

 

教員の仕事時間は週あたり53.9(参加国平均38.3)で世界一長い。

 

しかも、情けないことに、指導(授業)に使った時間は参加国平均19.3時間を下回る17.7時間だったという。

 

部活動や生活指導に多くの時間をかけていることがよくわかる。

 

 

熊本市の教育長は、「会議や研修を削減し生徒との時間を増やせば、多忙感は減らせる」と言う。

 

そして、「たとえ多忙であっても、多忙感をかんじることがないよう」にしたいと言う。

 

これもよくわかる話だ。学校に行くのが楽しいときは、少し忙しくても耐えられるが、現状は忙しい上にストレスが多いから教員がすぐにやめてしまうようなことになっている。

 

他にもいろいろな提言が書かれていたが、信州大学教授の山崎保寿が書いているように「「やりくりも大事。しかし本来は人員を増やすのが最善策」と述べているが、その通りだと頷いた。

 

この10年間、何もしなかったつけが回り、今の教員不足が起きたのだ。政治の貧困と言うしかない。