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山には秋の気配が立ち込めていた。

朝の気温は驚く程低く、林道に蒸し暑さはない。葉の緑も心無しか色褪せたようになっている。

秋は生き物達に、冬が来ることを教えてくれる季節でもある。



2か月前に買ったブドウ虫を冷蔵庫に保管していたら、成虫になってしまった。

釣りの準備をしようかとプラスチックの蓋を開けたら、一匹の蛾が飛び出てきた。

常温で放っておいて成虫にさせてしまたことはあるが、冷蔵庫の中では初めて。

しかも一匹のみ成虫になり、他は繭も作っていない。不思議だ。



水に入ると足が冷たい。水温も低くなってきた。

02糸で2M仕掛け。この太さと長さでは硬調の竿だと糸が切れる恐れがあるので、

いつも軟調の竿で釣行。おかげで小中型ヤマメでも竿がしなり、ヒキが充分楽しめる。

ただし狭い滝壷や落ち込みだと魚の動きを止められず、動き回られて苦労する。

ポイントも荒れる。一長一短だ。


ヤマメは相変わらず元気で美しい。

強いアタリから微かなアタリまで楽しみ、この大自然の、というより地球の恵みに感謝し、

下山する。納竿9:00。