私は27歳の時にワタナベエンターテインメントの養成所に入学しました

費用は数十万

JACCSのローンを利用して2年がかりで払いました

講師は構成作家、芸人、俳優、ダンサーなどなどテレビで見たことある方がやられていました

とくに芸人の講師陣の授業はボキャブラ世代の私にとってはテンション上がりまくりでした

中目黒にある学校に1年間通うのですが、通ったからと言ってナベプロに所属できるわけではありません

数十万払ってもです

最後に卒業ライブというものがあって、そ
こで事務所に所属できるかどうかの最終
審査が行われます

今はどういうシステムかわかりませんが、2010年はそうでした

私は運よく審査を通過し所属しました

事務所が主催するライブにはもちろん、テレビにも僅かばかり出ることができました

しかしいろんな事に限界を感じ、2年後に芸人をやめました

養成所に入学してから芸人をやめるまでの間はたったの3年でした

なぜやめたのか

食べていけなかったからです

なぜ食べていけるまで頑張らなかったのか

この世界で食べていくのは本当に難しかったからです

私も同期も先輩も後輩もみんなアルバイトをしていました

生きてくためには働かなくてはいけません

芸人を続けるにはよそで働かなくてはいけません

よそで働きながらネタを書き、ライブに出ます

ライブに出るにはお金がかかるので、ライブに出るためによそで働きます

よそできちんと働けばかなりの収入を得られ普通に暮らせますが、ライブに出るためにネタを考えなければならないので必要最低限だけ働き普通の生活はできません

そういう日々が長く続きます

売れるまで一生続きます

売れる保証はどこにもありません

夢はあります

しかし夢はお金になりません

生きていくためにはお金が必要です

私はお笑いの才能がなかったので生きていけなくなりました

そして夢を捨てました

生きていくために

日々を続けていくために

今目の前にあるものを買うために

負け犬と言われても何も返せません

私は自分が描いた夢を叶えることができませんでした

講師に教えてもらったことを、芸人という道で生かすことができませんでした

とはいえ私の人生は終わりません

終わらせたくても勝手に進んでいきます

気がつけばお腹が空き、それを満たすためにはお金が必要だから働かなくてはなりません

芸人で稼げなかった私に何ができるのだろう

何をすれば稼げるのだろう

考えて考えて、私はアダルトDVDをつくる会社に就職しました

まるで関係のない仕事です

けれど、

全ては繋がっていて、今に生きている

一番生きているのは人間関係

挨拶、コミュニケーション、空気を読むこと

全く違う職種でも生かせる能力

無駄にしてると誰かは言うかもしれない

でも私は思う  

金を生まない仕事をやり続けることはできない

成功しなかったイコール負けじゃない

芸人として成功しなかったことは負けですが、その後の仕事で富を得たら人間としては成功だと思います  

全ては繋がっている

勝つために負けることがあってもいいじゃないか

私は負けました

次は勝ちます  

そのための負けだと思い、必ず勝ちます

勝つしかないのです