色々終わって、ふと考えた | 翠日記

翠日記

イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
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ふと気づいたらW杯もなんか終わってるし(見てましたけど、ほぼ全試合…)、個展も終わったし、なんとなく心にぽっかりと穴が開いたような今日この頃。
そして、いつの間にかセミとか鳴いてるし夏がきてるし・・・!外で遊ばなきゃ!!海に行こう(行かないけど)!山に行こう(行かないけど)!飲みに行こう(行く)!私の夏はこれから!!と思うと同時に、色々つらつらと考える余裕も出てきました。

 

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個展用に沢山描いて、絵が描きなれたからか、なんていうか引っかかりなくサクサクかけるようになったのはいいけれど、逆に絵がサラッとしてきてしまった(あくまで主観で、誰も気づかないというか、私しか感じないとおもいます・・)。これは慣れというものか。冷静に考えれば、慣れるほど描いてないと思うんだけど。

 
やっぱりもうちょっと、サクッと描けないほうが、絵に「迷った跡」みたいのが出て、視線が流れず留まるような気がする。私も人の絵をみるときに「迷い跡」みたいなモヤモヤ淀んだものが見える絵のほうがスキで、それがどういうモノかはうまく言えないんだけど、方法論に乗っかってスラスラ描いたような絵がはっきり言って好きじゃない。その人なりの方法論っていうのは、あって当然だと思うけど、それに乗っかって100%描くのはつまんないだろと思う。毎回描くたびに自分の方法論を1%でも2%でもはみだしてやってくべきだと思う。思うっていっても、私もそうやらなきゃなって思ってるだけで全然できてない・・・。でもそうあるべきと思う。
  
そういう苦しみや迷いのない絵はつまらないと思うけど、ただ、見ている人が辛くなる様な苦しみはいらないなーと思う。そういう自分のダークサイドの押し売りみたいのはダサいよなーと思う。エゴで描いちゃダメだよなー、エゴ(みたいなもの。自分の個性をだしたいとかそういう気持ち)を生々しく出すんじゃなくて何かの形に昇華させなきゃなーと、1年前くらいに実感したが、最近つくづくそう思う。

 
私は、すごく明るいところと暗いところが描きたくて、特にダークな暗いイメージがすごく好きなんだけど、ただ単に暗いというのは、ちがうよな・・・と思う。感動するような暗さが必要で、それには普通に明るい部分とか暖かい部分とかの対比として描かれてないといけないんだろうなと思う。明るさも大事だ。
私の好きな小説も、日常の明るく淡々とした中に流れる暗い闇(・・?)、みたいな感じのが好きなんだけど、その小説が全てこれ見よがしに不幸の連続だったらなんかつまんないわけで、明るい光のなかでちょっとスパイス的に入ってる闇がとても暗いからいいんだと思うので・・・・、なんていっていいか分からないが、とにかく絵も一緒だと思った。

 

個展で自分の絵を毎日見て、表面的じゃない感覚的な部分で気づいたことを、言葉にやっとできた・・・。すごく大変ですなー、このモヤモヤ感を言葉にするのは。

 
個展直後は、もっと実用的なこと、つまり、これからどんなモチーフで描こうか、営業いこうかなとかモノクロもかこうかなとかすごく実用的なことを考えていたんだけど、数日たって、純粋に絵としてどうだったのかなってことがすごく気になって考えてます。