ねこのはなし | 翠日記

翠日記

イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
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うちの実家の猫の名前は、「たまり」ちゃんです。
タマと最初よばれていて、タマだとあまりに平凡なので私がマリにしたくて、合体させてタマリ。

タマリは普段はとってもツンデレさんです。 私が近づくと一メートルくらい飛びのきます。そこからじーっと遊女が誘うかのようにねっとりとした視線で私の目を見て。そんで私がまた近づくと1メートルくらい飛びのきます。そこからじーっとまた遊女が誘うかのようにねっとりとした視線で私の目を見ます。それでまた私がちかづくと…というかんじで無限ループに陥って永遠にタマリに触ることはできません。しょうがないのでえいやっと近寄って抱き寄せると観念したように長く伸びます。

そんなかんじでなかなか触らせてくれないタマリさんですが、この前私が実家に帰って行ったら、タマリがうちの玄関先で寝転んで待っています。いつもは屋根の上から恨めしそうにじーっと私のほうをみているのが常なのですが、ちょっと様子が違うのです。あれーっと思って手を伸ばすと、いつもの「ツンデレ無限ループ」に陥ることなく抱っこできました。そのあとは抱っこし放題で玄関先で盛大に熱い抱擁をかわしていました。やっぱりいつものタマリとは違っていて、私の手とか足をぺろぺろなめたり私の胸元にじゃれついたり、一体どうしたの?という変貌ぶり。


そんなかんじで数十分もじゃれあって、いい加減家に入ったら、この日は偶然、祖母の新盆の送り火を炊く日だったのです。そんなこと全然知らずに実家に帰った私。その日はたまたま実家の近くを通りがかって暇だったので夕ご飯食べさせてもらおうと寄っただけたったんですけど。

母にこの話をしたら、「おばあちゃんがタマリに乗り移ったのよー」と言っていた。なんか私もそうなのかなあと思いました。祖母にはたいそう可愛がってもらったので、お盆くらい覚えておくべきだった。きっとこれは祖母に呼ばれたんだと思う。送り火に間に合ってよかった。次の日タマリに触ろうとしたら、やっぱりいつもの「ツンデレ無限ループ」に陥り、触らせてくれなかったタマリでした。ふつうの猫に戻ってました。

不思議なことってあるものだ。

それにしても送り火で燃やす白い提灯が暗い闇の中で燃え落ちていくのは、幻想的できれいです。うっとりします。


あと、送り火を我が家は7月の中旬に炊くんだけど、ふつうは8月ですよね。なんでうちは7月なのと母に聞いたら、 「東京の家は7月にやるんだよ。田舎はみんなが帰ってこれるから8月にやるんだよ」と適当なことをいっていたが、そもそもお盆だから8月に帰省するんじゃないのかな。うちが旧暦ってこと?