ベルギー3日目(ブルージュ:後編) | 翠日記

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イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
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さて、ブルージュの旅の後編です。



ダムの村を散策。のーんびりです。



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おや、こんなところに古びた塔が・・・。

写真にはないですが入り口は本当にボロボロだったので、登れんの?と思いましたが

入り口で机に座ってる暇そうなおじさんが入場料を要求してきたので(でも1ユーロ程度です。商魂たくましいのかなんなのか・・。)、一応登るのは可能な塔みたいでした。

一抹の不安はよぎるものの登ることに。とにかく高いところがあれば登るのです。


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結構急な階段です~。しかも足場がとても狭い。割と真剣に危ないかんじです。

たまに北欧からの旅行者と思われるとても大きな人々が降りてきて、小さな私は押しつぶされそうになりました。


でもま、楽しかったです。これくらいサバイバルな感じがないと旅の雰囲気がでません。


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頂上へ繋がる階段。見ての通りかなりのレトロさです。木の階段はギシギシときしんでました。

私は平気でしたが、後ろからかなりお腹の大きい妊婦さんが夫と思われる男性と登っており(誰かとめてやれー)、その妊婦のほうが心配でした。


とても手作り感のある鐘楼で、登るのは大変でしたが大変印象に残ってます。


さて、頂上へ!そこからの眺めは・・・



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おおー。

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うわー。


と、こんな感じです。空気がきれい。マイナスイオンで充満していました。


鐘楼から降りて、村の散歩コースを歩くと村の教会がありました。

人気もなく静謐な空気に包まれていました。

こういう人の生活で使われている教会のただずまいにとても惹かれます。


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そのまま村の散歩コースを歩きます。2,3キロ程度でしたでしょうか。


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牛が沢山いました。かなりの怠惰さで昼寝。

写真ではのどかな風景にしか見えませんが、牛がこれだけ近距離にいると(しかも囲いが申し訳程度にしかついてない)迫力あります。牛の匂いもします。ハエもとんでます。割とワイルドなエリアなのです。



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かなり多数の自由な牛達・・・・。

見渡す限り人間は私達二人だったので、襲われたらひとたまりもありません。そんな悪意が牛にあるわけありませんが・・・。

牛って大きいんですよ。かなり。なので数がいると怖いんですよ。割と。

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きれいだなー、という感想しかありません。

こんな完璧な風景は、逆に人間の手が入っていなくては不可能だと思うのですが、この広範囲のエリアを手入れするのは不可能に近いと思うので、やはり自然にこういう風になるんでしょうか。

これはベルギーを旅して常に疑問に思ったことです。


「きれいなんだけど、誰が手入れしてんの?どこからそういう予算がでてるの?税金とか?」


この素朴な疑問は、ベルギーのおおらかな青い空が飲み込み、誰も答えてくれないのでした・・・。



さて、散歩したのでお腹が減りました。(こればっかりですね。)


ダムの村はクレープが有名らしいです。そこで入ったクレープ屋さん。
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Tearoom Ter Kloeffe
http://www.toerismedamme.be/etenendrinken/TearoomTerKloeffe.htm



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店のなかの大きな丸いプレートで焼いてくれます。ムチムチした生地で、ほんのり甘く美味しかった。

オーダーすれば、クリームやフルーツ、アイスなどてんこ盛りのトッピングもつけてくれます。

(が、このとき連日の暴飲暴食でだんだん疲れてきてトッピングつける元気がありませんでした。)

パリのクレープリーでシードルと共に食べたクレープもおいしかったですが、こちらも素朴な味でよかったです。

夫はビールを飲んでご満悦でした。


さて、船の時間が来て、ブルージュへ戻ります。



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だんだん日が落ちてきて、日光がやわらかくなってきました。

とはいえ、緯度の高いヨーロッパの春は8時過ぎまで明るいのですが。


ブルージュで散歩。

ペギン会修道院はしまっていて見れませんでしたが、周囲の池(愛の湖というらしい)を見ながら散歩します。

白鳥が今までに見たこともないほど密集してます。


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相当近くによっても怖がらない白鳥。



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夕陽の運河べりも美しいです。

学生時代にイタリアのベニスにもいったことがありますが、同じ運河の街としてブルージュと良く比較されますね。個人的に、ブルージュのほうが美しいと思います。端正な美しさがあります。ホント童話の本から出てきたみたいです。

ベニスも、運河の上に洗濯物が干してあったりと、生活感あふれた水の街という感じで好きな人は好きだと思いますが。まあベニスは、サンマルコ広場が素晴らしすぎるので、そこでブルージュはちょっと負けてしまいます。

ベニスは一点豪華主義、ブルージュは隅々まで行き届いた端正な美、という感じでしょうか。




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赤い煉瓦が素敵です。こんな家にすみたいです。

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文句なく綺麗です。としかコメントしようがありません。


この町歩きをしている途中で、ペギン会修道院が経営しているケーキショップに立ち寄りました。(カルペ・ディエムという名前。ガイドブックなどに良く出ています)

残念ながら写真はないのですが、そこのケーキがホントに美味しかったです。

上品な味の小ぶりなケーキでしたが、味が濃厚で丁寧に作られています。

チョコレートのケーキがやはり美味しい。

フランスはフルーツが沢山乗っているタルトがおいしかったですが、ベルギーはやばりチョコレートのケーキ、あるいはクリーム系。こってりしたものが得意のようです。



マルクト市場の近くのレストランで食事です。

ブルージュは、私達の予算に合うような丁度良いレストランがガイドブックに見つからなかったので、

見た感じまともそうなお店に入りました。ここもコストパフォーマンス良くておいしかったです。


私はここでとうとうビールを飲むのを断念。トマトジュースをのんでます。

夫はビールを性懲りもなく飲んでます。

ああ、でもベルギービール、美味しそうですね。
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ベルギーの名物。小エビのコロッケです。

かりっとして、中はクリーミーで美味しいです。小エビの味が濃くてぷりぷりです。



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夫の前菜。鴨のパテです。ヨーロッパ行くと、パテの美味しさを実感します。

濃厚でトロッとして舌に残る味。量も結構沢山です。臭みはあんまりありません。



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こんなレストランでした。名前は失念。

7時頃入ったのですが、まだガラガラ。9時近くまで明るいので夕飯の時間ではないのです。



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今日のメイン。ワーテルゾーイという鶏肉のクリーム煮です。

鳥の味が濃くてワイルドで美味しかった。コクがあります。スープはさらさらしていてシチューという感じではありません。

鶏肉とポテトがごろごろ入ってます。このポテトも美味しいですよ。しっとりしていて味が良くしみていました。

野菜の味が濃いんです。


さて、お腹も一杯になったところで、ビアカフェへ。

有名なブルッグス・ビエールチェというカフェへ。ここは、200種類以上のビールがそろい、店主もビール通で有名らしいです。

店内の写真はありませんが(あまりに地元の人がわいわいやっていて写真をとるのがためらわれました)、

頼んだビールはコレ!


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でも、種類が多すぎて一体なにを頼んだらいいか良く分かりません。なので、なんとなくフィーリングでオーダー。

だんだん、フランボアーズとか甘い味受けのビールが物足りなくなってきて、琥珀色のピルスナー系を頼んでみました。


店内の雰囲気がディープ過ぎて(地元の人がものすごい勢いでわいわいやっていた)、一杯飲んだらいろんな意味で満足し、店を後にしました。でも本当に地元のカフェという感じで良かったですよ。ウエイトレスのおばさんの威勢がよくて、きびきびしていてとてもかっこよかった。

ガイドブックなどでかなり有名なのですが、観光ずれすることなく、古きよき雰囲気を保っているようでした。きっと店主がしっかりとしたポリシーで経営しているんでしょうね。


さて、やっと太陽が落ちて、待ち望んだ夜景です。



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暗くて写真を撮るのが大変でしたが、この旅でベストとも言えるほど美しい風景でした。

ブルージュの夜は本当に真っ暗なんです。そこに黄色いライトアップで浮かび上がる教会や鐘楼は幻想的で、すごかったです。

真っ暗な闇に浮かび上がるような教会や鐘楼。更にその光が川面に映りこんで、にじむように揺らいでいます。

これは、写真ではなかなか伝えきれません。

ライトアップがとても控えめなので余計に綺麗です。こういう控えめな夜景がどれだけ綺麗かということを始めてしりました。


ベルギーの風景は、基本的に端正で行き届いて控えめな美しさを持っています。

あまり人に見せるという意識がないような気がします。派手にして観光客を驚かせてやろうという意図が全くありません。そういう風景は、とても稀かもしれないです。

これだけの素材があれば、観光都市として弄りたくなるのが人情だと思いますが、それをしないのがベルギーのよさだと思います。


ブルージュの風景は、どこまで行っても欠点というものが見当たりません。派手にはしないけど、かといっていい加減なのではなく行き届き、全く汚いところがないのです。


自然のままに美しいブルージュは、ずっとこの素朴さを失わないで欲しいなあと思わずにはおれませんでした。