荒川は、東京東部の下町を洪水被害から守るために、明治から大正にかけて、地面を掘削して造られた人工河川で、昔は荒川放水路と呼ばれていました。大正末期の1924年に完成。ことし10月12日に「荒川放水路通水100周年」を迎えるため、様々な行事が予定されています。

 

 約100日前となる7月7日(日)には、大島小松川公園(江戸川区)南端にある荒川ロックゲートの近辺と、中川船番所(ふなばんしょ)資料館(江東区)で、カウントダウンのイベントが行われます。

 荒川ロックゲート近辺では、午後3時からイベントが始まります。荒川放水路通水100周年の展示のほか、自然災害体験車両による災害の疑似体験やロックゲートの稼働状況の見学ができます。また、キッチンカーやライブ演奏も登場します。(中川船番所資料館は午前11時—午後4時)

 イベントは国土交通省荒川下流河川事務所、江戸川区、江東区が共催。

 

 荒川ロックゲートは2005年3月に完成した防災閘門(こうもん=ロックゲート)で、荒川と旧中川をつないでいます。閘門とは、水位の違う河川や水路を行き来するための施設で、エレベーターのような役目を果たします。パナマ運河と同じ方式です。

 荒川と旧中川の水位差は最大3メートル以上になりますが、ロックゲートの完成により、荒川—隅田川間の水上交通が両方向から確保できるようになりました。

 最大で長さ55m、幅12メートル、高さ4.5メートルの船が通行でき、災害で鉄道や道路が使えなくなった際、救援物資や復旧資材の運搬、被災者の救出などに役立つと期待されています。

 

 中川船番所は、江戸時代、小名木川(おなぎがわ)と旧中川、新川の合流地点(江東区大島9丁目)に置かれていた、船で江戸に出入りする人と物資を検査するための関所です。小名木川は、利根川方面からの水運の多くを担う重要な運河でした。現在は跡地に資料館が建てられています。

 

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