能登半島地震で全壊または半壊した家屋は、公費での解体の対象となり、その数は約2万2000棟と想定されています。 

しかし、4月9日時点で、輪島市や珠洲市など特に被害の大きかった石川県の6つの市と町で行われた公費解体はわずか147件、申請も約4000件にとどまっています。

 家屋の解体には所有者全員の同意が必要ですが、登記上の名義が明治時代に亡くなった先祖のままだったりすると、相続人が多数となり、誰がどこに住んでいるか、死亡しているかさえもわからず、全員から同意を得ることはきわめて困難になるためです。

 

 このことと大きく関わっているのが、今月始まった「相続した不動産の登記の義務化」です。相続した不動産は3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料が科されるというものです。現在登記していない人は、3年以内に登記しなければなりません。

 私は、所有者不明土地の解消策として、この民法改正にかかわりました。東日本大震災の時、住宅を高台に集団移転しようとしても、誰の土地か不明だと実施できないという問題が起きたことがきっかけです。

  地元の会合でも、しばしば「相続した不動産の登記の重要性」について説明してきました。

 能登半島地震で被災された方々に、間に合わなかったのが残念です。

 

 「相続不動産の登記の義務化」が国民にあまりにも知られていないため、法務省にハッパをかけ続け、今年度の広報予算として約2億円を確保することができました。昨年は810万円でしたから、なんと20倍以上!今後、テレビCMやインターネット広告も出すことになっています。

 

 また、法務省、総務省、国土交通省の3省が連名で、自治体に対し、司法書士会と連携した住民向け説明会の開催や相談窓口の設置を要請しました。これらも私が、自民党法務部会で再三提案したことが実りました。

また、自治体の死亡届の窓口で、相続登記の資料を渡してもらうことも進んでいます。

 すでに東京都司法書士会は23区区長会や市長会で説明し、このようなことをすすめています。これを全国で展開してもらいます。

 

 法務省では全国の法務局で、相続登記の手続きを案内しています。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

東京法務局 電話番号 03-5213-1234(代表)