これまで民法にあった「女性は離婚後、100日間、再婚することができない」という規定が、4月1日に廃止され、離婚すれば、即日、再婚することもできるようになります。男性は従来から、離婚後すぐに再婚できます。

 

 女性にだけ再婚禁止期間があったのは、「子の法律上の父親が誰か」を推定する基準に伴うもので、明治以来、女性は離婚後6カ月間、再婚を禁止されていました。たとえ、妊娠していなくても、妊娠が困難な60歳以上の女性であっても、同じ決まりでした。最高裁が違憲判決を出したこともあり、平成28年6月に民法が改正され、禁止期間は100日間に短縮されました。

 

 今回の改正は、「離婚後300日以内に生まれた子は、前夫の子と推定する」原則はそのままで、「再婚後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定する」という規定を法律に加えたことに伴うものです。4月1日以後に生まれる子に適用されます。

 

 出生届を出さないために生じる「無戸籍者」をなくすことを、私は重大な人権問題として取り組んできました。無戸籍者のうち7割強が「夫以外の人との子を、夫の子として扱われることを避けるために、母が出生届を出さない」ことによるものです。(令和5年4月法務省調べ)

 

 こうした問題を防ぐため、改正民法の「嫡出否認制度」も、4月1日に施行されます。

 これまで「嫡出否認」の訴えを起こせるのは父だけでしたが、子及び母も可能となり、また、再婚後の夫の子と推定される子については母の前夫も提訴できるようになります。