社会福祉法人「墨田さんさん会」が今年で設立20周年を迎えるのを機に、先日、3か所の施設を見学させてもらいました。さんさん会は、知的障害を持った方々向けに、就労継続支援(B型)施設やグループホームの運営などを行っています。

さんさん会は、ダウン症など知的障害者の保護者の方々でつくる「手をつなぐ親の会」が母体となって、平成14年に設立されました。私は、親の会の「新成人を祝う会」に毎年参加して、「親なき後」のご心配についてずっと伺ってまいりました。初代理事長だった大山洋子さんのパワフルな行動力を改めて思い出します。

私が見学した、就労継続支援(B型)施設の「空ゆけ未来工房」(横川)と「喜楽里(きらり)すみだ工房」(東向島)では、全国チェーンの宅配寿司の箸と醤油皿をセットにする作業、都心のホテルの箸袋を三つに折って中に箸を入れる作業、金属製品の簡単なつなぎ合わせ、タオルの刺繍など、通所する方々の特性に合わせた作業を行っています。

 

職員さんから、「仕事の確保のために営業に回り、『内職募集』の貼り紙がある町工場を見つけると、仕事をさせてくれないかと頼んでいる。」と聞きました。墨田区や近隣区の町工場からも仕事をもらっているそうです。

作業は1工程1円に満たない仕事ですが、知的障害者の方の経済的な自立の一助になっているほか、日中活動の場としても大きな役割を担っています。

「喜楽里すみだ工房」では、1階にカフェとパン屋さんを併設していて、そこで私の大好きなクッキーが売っていたので買い求めました。チョコマーブルとオレンジが特に好きです。パン屋さんも総菜パンなどが充実していて、お客さんが次々と来ていました。

また、重度知的障害者向けのグループホーム「ほーむきらきら星」(墨田)では、重度の知的障害があっても住み慣れた地域で生活することができるよう、日常の入浴や排泄の介助を職員さんたちが行っていると聞きました。ここに住んで、「空ゆけ未来工房」に通っている人もいます。

さんさん会では、この他に2か所のグループホームを運営しており、「親なき後」をどうするか、という手をつなぐ親の会の長年の想いを着実に実現してきています。

 

墨田さんさん会には、引き続き地域の障害者福祉を担っていただけるよう、私も、障害者と保護者の方々に寄り添う努力を続けてまいります。