4日、京成本線荒川橋梁(葛飾区―足立区)架替工事の起工式が行われ、近隣地区の衆議院議員として出席しました。

 墨田区墨田5丁目の区北端から300mほど上流にある堀切橋と並行してかかる現在の鉄道橋は、鉄橋が周辺の堤防に比べ約3.7m低く、大雨などで荒川の水位が上昇すると、そこから氾濫する恐れがあります。実際、京成電鉄の鉄橋は、令和元(2019)年秋に関東を襲った「令和元年東日本台風」では、桁下わずが1.2mのところまで水位が上がりました。氾濫すると下流の墨田区や江戸川区にも甚大な被害をもたらすため、私は抜本対策として橋の架替を推進してきました。

 応急措置として2021年9月、高いコンクリート壁が鉄橋の両脇に設置されましたが、それまでは台風が近づくたびに、橋の両岸の葛飾区と足立区の職員が土のうを積んでしのいでいました。

 

 今回の工事では、国土交通省と京成電鉄の共同事業で730億円をかけて堤防をかさ上げするとともに、橋の上流に新しい橋を架けて移します。これに伴い、京成関屋駅と堀切菖蒲園駅の間の線路も移設するなど大規模な工事となるため、京成の鉄道橋の架け替えを行い令和19(2037)年度に完成する予定です。

 

 堀切橋少年野球場(葛飾区)で行われた起工式では、土を固めるための「胴突き式」が行われ、斉藤鉄夫国土交通大臣や、沿岸の墨田区、江戸川区、足立区、葛飾区、江東区などに関係する衆参議員と区長などの出席者とともに、安全な工事を祈って胴突き式を行いました。

「サー・エイ、サー・エイ、サー・エイ」と司会者の3回の掛け声に合わせ、私も2本の木の棒の下に木箱がついた「タコ胴突き」と呼ばれる道具で地面を突いて地盤を固めました。この胴突きに使った工具は、似た形のものが(実際のものは、底が重いゴム製)昔も現在も、土や砕石を締固めるのに使われています。「サー」で持ち上げ「エイ」で締固めるのです。

 「ビル建設など一般には鍬(くわ)入れ式を行うけれど、堤防やダムの場合、鍬入れだと土が崩れるイメージがあるので、胴突き式を行うそうですよ」と斉藤大臣が教えてくれました。

大臣も鍬入れ式は何度も行っているけれど、胴突き式は初めてだそうです。

 

 国会議員12人が1分ずつスピーチ。私は「この人工河川である荒川放水路は、明治末年に水害をきっかけとして事業を開始し、大正時代の関東大震災も乗り越え、20年がかりで、昭和5(1930)年、完成しました。私たち東京東部の人間にとって荒川は誇りであり重要な資産です。これまで大雨が降りそうな時は、地元の葛飾区や足立区の関係者の皆さんが土のうを積んだり、大変なご苦労をいただいていました。この架け替えが完了すれば、私たち下流に住む者にとっても、本当に安心して暮らせるようになります。どうか工事をご安全に着実に進めてください」と挨拶しました。