日経新聞夕刊1面(11月1日付)トップ「中小『経営者保証』制限へ 金融庁」を見て「やった!」とうれしくなり、早速、金融庁幹部に説明を求めました。

 

 というのは、私は、中小・小規模事業の経営が破綻したとき、自分の住宅などで個人保証している社長が、身ぐるみ剥がされ、場合によっては自殺にまで追い込まれる、そんな状況を変えたいと初当選以来、動き続けてきました。

そして、経済産業副大臣だった2014年2月、会社経営と個人の生計を明確に分離している健全経営の中小・小規模事業は、経営者の個人保証なしで金融機関から融資を受けられる「経営者保証に関するガイドライン」をスタートさせました。

 

 それにより、新規融資に占める「経営者保証に依存しない融資の割合」は、2015年度の12.2%から2021年度は29.9%にまで上がりましたが、まだまだ少数派です。金融機関は経営破綻に備え、個人保証という安全装置を欲しがるのです。

 金融庁は今回、「監督指針」を改正し、銀行や信用金庫が「経営者保証」を求めることを、実質的に制限することにしました。

 保証を求める際には、融資先企業に「どの部分が十分でないために保証が必要となるのか」「どのような改善を図れば保証の変更、解除になる可能性があるのか」など、個別具体的に説明することを銀行や信金に求めることにしています。

 

 3年前の参議院選挙の時、安倍総理は「サラリーマンを辞めて、親の会社を継ごうかと思っても、親が個人保証で大変な思いをしたのを見ているから、二の足を踏む。

 そして、配偶者が『会社を継ぐなんて、危険なことやめて』と大反対する。

こうして、黒字経営なのに後継者が見つからず、会社を閉じるという非常にもったいないことが起きているんです」と街頭演説で述べ、私も党広報本部長として、このことを大きく取り上げた思い出があります。

 

 その後、事業承継の際に、親と後継者の双方から個人保証を取らないよう中小企業庁が求めました。

岸田内閣は、ことし6月に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」に「今後の中小企業金融の方向性について検討を行い、経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策を年度内に取りまとめる」という内容を盛り込みました。

 金融庁は、今後、改正案について国民から意見を募集した後、来年施行します。