墨田区の10の中学校の吹奏楽部合同バンド(総勢140人)が、26日、すみだトリフォニーホールで、世界的指揮者、佐渡裕さんの指導を受ける「公開練習」を行いました。楽曲は「アフリカン・シンフォニー」(マッコイ)。上半身全体をつかったパワフルな指導で、音楽がどんどんよくなっていくことがわかり、会場を沸かせました。
 彼女ら彼ら(吹奏楽団の大半が女子)にとっても、一生心に残る、大切な思い出になったと思います。
 私は「子どもたちに舞台芸術でワクワク、ドキドキしてもらうための活動支援」を文化庁に求め、推進しているだけに、今回のような試みが、今後、毎年行われることを期待します。

 区立のすみだトリフォニーホール(錦糸町)は、1997年に開館。この日は25周年の記念日でした。
 新日本フィルハーモニー交響楽団がトリフォニーホールを本拠地として活動しており、佐渡裕氏は来年、第5代音楽監督に就任予定。佐渡さんはすでに、「すみだ音楽大使」を務めていて、187センチの等身大パネルが墨田区役所やトリフォニーホール周辺、小中学校の音楽室などに立てられています。

 

 


 この日は、他に、佐渡さんが新日本フィル及びシエナ・ウインド・オーケストラ(吹奏楽だけの楽団)の指揮も執りました。

 佐渡さんの中学生への指導は印象的でした。
 「音楽は立ち上がりが一番」とカツを入れ、パーカッションには「頭や手で打つんじゃない。もっと大きな音で。体の細胞をすべて動かして」「狂ったように打って」。
 トロンボーンなど金管楽器には「切れをよく!レモンを切ったら、ピュッと(つゆが)飛び出すみたいに」と身ぶり手ぶりいっぱいに。
 生徒たちが事前に用意した質問にも答えました。

 音楽になじんだきっかけとして、子どもの時、長く見ていたテレビ番組「オーケストラがやって来た」の山本直純さんの指揮姿にあこがれたこと。
 尊敬する指揮者としては小澤征爾氏の名をあげ、「アメリカで小澤先生の指導を受ける機会を得られたから、今の自分があります。小澤先生が創られた新日本フィルが50周年を迎える来年、芸術監督となれることは素晴らしいご縁で、ほんとうに幸せです」と語りました。



(画像はいずれも墨田区提供。中学生の写真は使用不可)