すみだ中小企業センター跡地(墨田区文花)に、私が誘致に尽力し、今年4月に開設した千葉大学墨田サテライトキャンパスを視察しました。

現在は工学部のデザイン系の学生を中心に60-100人が千葉県のキャンパスと行ったり来たりし、演習や制作に取り組んでいます。数年後には1,000人程度の学生が集うことになります。23区で唯一大学がなかった墨田区の変化が楽しみです。

 

 

 1、2階は地域に開放された交流の場です。学生が開発、制作したモダンな机や椅子が並んでいます。周辺住民の皆さんに使用してもらい、使い心地を改良していくそうです。

 

 墨田区内の貴重な文化財の3Dデータを作成、保存している研究では、三次元切削機で作られた回向院(両国)の石碑にある「佛」の字のレプリカを見ました。

 今後、三囲(みめぐり)神社(向島)などを3Dデータ化するそうです。復元が必要な時には、データが役立ちます。自民党文化立国調査会長代理として文化財保護に関心の深い私としては、とても興味を持ちました。

 

 学生のポスターが掲示されたフロアでは、「キラキラ橘商店街」(京島)にカフェを開くなど、墨田区の街とコラボしている研究をいくつも見ることができました。このような研究が墨田区の街に活気を与えてくれると思います。

 

 

 様々な種類のハーブの水耕栽培のゾーンもありました。千葉大学には園芸学部もあるのです。四季折々の花を由来とするハチミツやジャムを、「お手製」のおみやげとしていただきました。

 

 

 1985年に「すみだ中小企業センター」が開館した時から備えられている、登録無形文化財保持者である大野勘三郎氏が制作したみごとな欄間も、見ることができました。

 今後はヤマハ(楽器)や竹中工務店との共同研究も予定しているそうです。

 

 この地域は、海抜ゼロメートル以下ですが、建物が大学としてリニューアルする際、浸水のリスクにさらされていた地下の電気設備を3階に移しました。

 私はかねて、「水害に備えて電気室を3階以上に」と建築基準法の改正を主張しており、この移し替えに「我が意を得たり!」と思いました。既存ビルの改良の好事例として、今後、党の国土交通部会などで紹介していきたいと思います。