収入激減の困窮者向けに緊急小口融資2種類を国が始めている。窓口は区市町村の社会福祉協議会。1年後から返済だが、その時に住民税非課税世帯なら返済免除。通帳で減収を確認するが、報酬手渡しの場合は自分で各月の収入明細を書く。

 

「緊急小口資金」と「総合支援資金(生活支援費)」。もともと、社会福祉協議会を通じたセーフティーネットとして存在したが、今回、コロナ関連で、様々な条件を次のように緩和する特例措置を取った。

 

「緊急小口資金」は1世帯20万円を1回だけ融資、1年間据え置き、その後2年間で返済する。こちらのほうが書類審査などが簡単だ。

 

「総合支援資金」は2人以上の世帯は月20万円、単身世帯は月15万円で、3カ月分申し込める。3カ月たっても、生活困窮が続いている場合は、さらに同額ずつ3か月融資を受けられる。据置期間はこちらも1年。返済期間は10年と長い。厚生労働省の「生活困窮者の自立支援事業」(従来、転職先や住む所を支援員が一緒に探してくれる事業)に基づくもの。

 

 私たちは、非常時に本当に困っている人向けに役立つ小口融資制度を作ったと考えているが、東京都社会福祉協議会が作成し、地元の区役所においてあるチラシを見てびっくりした。借りる人に厳しい表現(「返済期限までに返済が完了しない場合、年3%の延滞利子が発生」とか「審査により貸付を行わないことがある」)が並び、必要書類も延々と書き立ててある。しかも、「返済時に住民税非課税世帯の場合は返済を免除する」という重大な事項について、まったく書かれていない。これでは融資を申し込む意欲をそがれる。

 

私は9日、この点を発見し、厚生労働省に「全国の社会福祉協議会に、もっと正確で真に困った人に温かい案内文にするように伝達してほしい」と申し入れた。