隅田公園そよ風ひろばで、第3回「寺島なす☆まつり」が7月21日(日)午前10時半から開催されます。

 

 墨田区東向島は、かつての地名を「寺島」と言い、江戸や東京に新鮮な野菜を供給する近郊農村でした。特に、ナスの名産地として知られ、ここで取れたナスは「寺島なす」と呼ばれていました。「小松菜」の名前の元となった小松川村(現在の江戸川区中部)と同様です。ただ、小松菜は現在も江戸川区で商業生産され、23区の学校給食に提供されているのに対し、墨田区には農業はありません。

 関東大震災の後、寺島の農地は被災者のための住宅用地となり、「寺島なす」の生産は途絶えてしまいました。

その後、90年ぶりに種が発見され、東京のナス農家さんや旧寺島地区の皆さんのご尽力で、伝統野菜としての「寺島なす」の栽培が復活しました。墨田区内では「たもんじ(多聞寺)交流農園」などで栽培されています。

 

 今回の「寺島なす☆まつり」は、オープニングが「寺島なす」を聖火に見立てた「青果リレー」で始まり、飲食や盆踊りなど盛りだくさんの、楽しいイベントになりそうです。

 

 特に、墨田区内の9つの飲食店が「寺島なす」を使った料理を販売、食べたお客さんの投票によって競い合う、「N-1(なすワン)グランプリ」が注目です。

 出場するのは、酒呑童子(東向島2)、かめぱんカフェ(向島3)、みかづき(太平3)、レガート(東向島5)、Ghost S.B/油霊(墨田1)、押上よしかつ(業平5)、イルトベンリ(キッチンカー)、ボンズハウス(石原1)、BarAmbience(向島1)の9店舗です。

 また、午後1時、午後3時20分、イベントの最後の3回、「寺島茄子之介(なすのすけ)音頭」「梅若音頭」「すみだ音頭」などの盆踊りの時間があります。

 そのほか、野菜販売のマルシェや寺島なすスイーツの販売などもあります。

 

 多くの皆様に墨田区の歴史の一部である、「寺島なす」のことを知ってもらう機会になってほしいと思います。