外国人政策担当の総理大臣補佐官として4月上旬、韓国に出張しました。
韓国・法務部の鄭成湖(ジョン・ソンホ)長官(法務大臣)や車勇昊(チャ・ユンホ)出入国・外国人政策本部長(出入国在留管理庁長官に相当)と意見交換を行ったほか、「社会統合プログラム」に基づく教育施設などを視察しました。
【ソウルグローバルセンターで】
韓国では、外国人に言語や文化、社会ルールを教育する「社会統合プログラム」を広く展開しています。
「韓国語及び韓国文化」が5段階で計415時間、「韓国社会理解」が基礎・深化の2区分で計100時間を教育するプログラムです。
受講者は、事前に試験を受け、その結果に応じて0段階から5段階まであるプログラムのどの段階から始めるかが決まります。
事前の試験は、ソウル・光明(クァンミョン)・大田(テジョン)の3箇所で受験可能です。
コンピューターによる試験と口述試験の両方を受ける必要があり、私が視察したソウルのセンターでは、1日最大4回、週6日のペースで試験を実施していました。
2026年度の予算総額は139億5500万ウォン(約15億円)とのことです。
鄭(ジョン)長官は、「韓国は超少子高齢化が進み、また、人口の半分以上が首都圏に住んでいるため、地方は過疎化が進んでいます。このため、地方自治体からは、労働を通じて外国人に地方に定着してほしいという声があります。それを踏まえ、秩序を持って外国人との共存を可能とする政策を模索しています」と話しました。
車(チャ)本部長は、若手のころ、このプログラムを発案した人物でした。2000年代のはじめ、韓国では農村部にフィリピン出身の女性が嫁ぐ「結婚移民」が多かったことなどが、外国人政策を考えるきっかけになったとのことでした。
日本と韓国との共通の課題も多く、不法滞在者への対応や、難民のふりをして入って来る外国人の問題、言語を教育する講師の待遇が非常勤になることが多いことなどについても意見交換をしました。
韓国の社会統合プログラムは、履修者が、在留資格の変更や永住権の取得などの申請時に、一部要件が免除されるなど、在留資格と結びついた制度設計になっています。
日本でも、今後、入国管理庁と文部科学省などが協力して、大人向けの⽇本語学習プログラムを作り、内容の理解度を在留資格更新などの参考にする検討を進めています。(子供向けは別途作ります)
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日本では、人口減少に伴う人手不足を背景に、様々な分野で外国人材の必要性が高まっています。
今後、日本で暮らす外国人(配偶者と子供の帯同を含む)が増えていく中で、日本人と外国人の双方が安全、安心に生活し、共に利益を得られる社会を実現するためには、外国人に日本語や日本のルール、文化を教育する取り組みの強化が欠かせません。
韓国では、日本よりも相当早い時期から、少子化による労働力不足を理由に、外国人の受け入れ政策を推進しています。
総人口に占める在留外国人の割合も現在5.7%で、日本の約3%より大きくなっています。
高市総理を支える総理大臣補佐官として、韓国などの海外の事例も参考に、政府の検討をリードしていきます。
【鄭(ジョン)長官、車(チャ)本部長ほか法務部職員との意見交換(ソウルの法務部で)】
【中央が松島、その左が鄭(ジョン)長官、さらに左が車(チャ)本部長、松島の右は日本の松尾裕敬駐韓総括公使】


