日曜日に賃貸不動産経営管理士の事前講習を受けた。講習を聞いた人は、そうでない人に比べて合格率が約12%高いらしい。ただ、申込時に18,150円かかり、さらに指定のテキスト4,400円を買わなくてはならない。
そして今になってAIに聞いたら「この差だけで講習を受けたから受かったとは言い切れません。もともと学習意欲が高い人が講習を受ける傾向もありうるので、これはまず結果の差として見るのが自然です。」だって。
申込書には遅刻したら修了証を出せない、と書いてあったので、遅刻しないように会場である千種にあるimy会議室に行った。場所的には千種駅に近くて便利だった。会場は3階と6階にあり、3階に140名ほど、6階に80名ほどが入る。
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女性の友達がよく、俺は「男なのに臭くない」という。「普通の男は臭いよ。」その発言のたびに「それは男に対する偏見。」と反論していた。
でも、今回、自分の席の周りが男だらけで、臭さを実感した。確かに男は臭いっていうか、臭いを気にしていない。特にタバコの臭いは最悪だ。休み時間のたびに、臭いを増して帰ってくる。あまりに臭くて、もし自分が持っていたら、自分もタバコを吸いに行っていたと思う。自分もタバコ臭くなれば、気にならないから。
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俺は3階の会場だったが、この3階には、男性用トイレが大便器1、小便器2しかなく、10分間の休み時間のたびに大行列。スタッフが「トイレは1階、6階、9階にもあります!」と連呼している。
それで、1階のトイレに行ったら、ここでも行列になっていた。そして、見た目、便器の数も少なそう。諦めて、また3階の行列に並びなおした。
10分間の休みが終わりそうになるたびにスタッフが「遅刻した場合には、修了証は発行されません!」とトイレに向かって大きな声を出す。その声をうんざりしながら聞いていた。
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そして、この会場、食事が禁止。講義会場はもちろんのこと、1階のロビーでも禁止。9時から17時30分までの講義なのに。
仕方がないので、昼休みに俺は近くの公園まで歩いて行った。あまりの暑さに、木陰のベンチ以外には誰もいない。俺は金属製の熱々のベンチに座って、コンビニのおにぎりを2つ食べた。マンジャロ打っていて、食欲がなくてよかったよ。朝食も食べていないのに、たった2個のコンビニおにぎりを食べたら満腹になった。
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講義自体は、動画の鑑賞会だった。大きな画面に映った滑舌の悪いご老人の男性弁護士や、経営管理士のおっさんが、テキストをだらだらと読み上げる。そういえば、法学部の講義ってこんな感じだったよな、と思い出した。このつまらない読経タイプの講義をひたすら聞く。その時間、トータルで6時間20分。途中から、これが「苦役」ってやつかと思った。
内容は、テキストの内容を追っていくだけなので、深くもない。ただ早めにこの試験の全体像をつかむってことにはいいかもしれない。効率悪すぎだけど。
最後に確認テストと称して、いきなり試験レベルの問題が配られる。講義で一通り聞いただけではほとんど解けない。「そりゃあ、そうだろうなあ。」と解きながら思った。このバカ高くて重いテキストも、もう2度と読まないだろう。
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一緒に地元でお祭りのときに神輿を担いだ、3歳年下の仲間が亡くなった。かつて同じ組合だったし、何かお手伝いできることがあればと申し出たら、認めてくれた。
今週、葬儀があった。俺は葬儀会場に朝早くに行った。そして受付をすることになった。
受付会場には、漫画のワン・ピースのような「WANTED」と書かれたチラシが額に入れて飾ってある。その下の絵は、彼が祭りでリーダーをした時の雄姿だ。「彼は、つながりのある仲間の隣で、いつも一緒に立っていた。」といった意味の英文が書いてある。
そして、祭壇に飾ってある遺影は、茶髪のまさしくお祭りのリーダーのときの写真で、やんちゃな顔をして微笑んでいる。今はこんな遺影もありなのかと驚いた。
葬儀では、奥さんと、これまたやんちゃそうな2人の茶髪の兄弟がそれぞれ挨拶した。兄が「別れの言葉とか、嫌いだろうから言わない。弟や母。あとのことは、俺に任せろ。」と言っていたのが印象的だった。また、奥さんの「新しい世界に、先頭切って、行ってしまいました。」という言葉に「ああ。確かに。彼はそういう男だったなあ。」と思い返した。
「職人として、どんな暑い日も、どんな寒い日も誠実に仕事に向かう職人の夫は私の誇りでした。」という言葉は、無職の俺には痛かった。
出棺の見送りをして、俺は家に帰った。霊柩車の運転手も俺たちの仲間だ。家で着替えているとき「そろそろ霊柩車が、彼の家の近くに寄った頃だな。」と思った。
そのときドーンという大きな花火の音がした。仲間たちが花火を打ち上げた音だった。
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知り合いに「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」という映画を紹介されたので見た。
https://youtu.be/gqdZLWb8KEs
主人公は中国系アメリカ人の女性。破産しかけのコインランドリーを経営している。娘は同性愛者に。そしてそこにぼけ始めた父親が中国からやってくる。彼女は自分が最悪の人生を歩んでいると考えている。
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中学生の時、俺はすごくSFを読んでいた。メインは星新一。彼のショートショートはほぼすべて読んだ。短編は読み切り、長編まで読んでいたくらいだ。
そんなとき、友達が「タイムマシンは絶対にできない。なぜなら、未来や過去から来た人を見たことがないから。」と俺に言った。確かになあ。それを聞いて、俺もできないのかもしれないと思った。
そして、ある日、俺は本屋で村松恒平、松尾由紀夫の「雑学人間入門」(青春出版社)を見つける。挿絵を漫画家のひさうちみちおが描いている。
この本のなかで、パラレルワールドの説明が記載されていた。それによれば、(うろ覚えだが)、宇宙は想像できうる範囲で常に分岐していて、そのなかには、タイムマシンで未来から人がすでに来た社会もあるのだという。
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想像しうる限り、宇宙は分かれている。その人が、あることをするかしないか、することを選択した社会も、選択をしなかった社会も同等に存在し続ける。この考え方は、俺にとても影響があった。
この映画もパラレルワールドの話だ。主人公は、自分は、最悪の人生を選択したと思っている。女優の道も、カンフーの達人になる道もあったのに、中国からアメリカに渡り、破産寸前のコインランドリーを経営し、税金に頭を抱えるようになるとは。俺も、最悪の人生を選択し続けたって点では、主人公と同じだけどさあ。
しかし、並行宇宙のなかには、彼女が女優になる世界も、カンフーの達人になる世界も同じく存在していた。
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この映画では、バース・ジャンプをして、別のパラレルワールドに飛び込むと、その選択の下で生きてきた自身の人生を追体験でき、そして、カンフーの達人や、料理の達人にもなることができることになっている。能力だけ、コピーができて、自分のものになるのだ。
主人公は、バース・ジャンプを繰り返し、様々な自身の人生を体験し、そして才能を身に着けていく。
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この映画では、どれだけ分離したパラレルワールドであっても、今このとき、似たようなシチュエーションで似たような出来事が起きていることになっている。
そのパラレルワールド間の壁を崩す敵が現れた。どんな人生もロクでもないと見切ってしまった彼女の娘がその敵だ。彼女は、すべてが無だとして、全世界を、そして宇宙を消してしまおうとする。
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映画としては、まあまあ面白かった。だけど俺としては、もっと立派なSF映画が山ほどあるなか、この映画がこんなに高評価なのは気に入らない。切り口は違うが、同じことを表現しているバタフライ・エフェクトを描いたなかに、もっといい映画があったような気がする。アカデミー賞7部門受賞は、いくらなんでも取りすぎだ。


