ジムのトレーナーがまた、愛知県のボディ・ビルの大会で優勝した。賞状は英語で書かれており、そこには75kg以上級での優勝と書かれていた。

 

「75kgもあるんですか?そんなにあるようには、とても見えない。」

そう言ったら「それは、ボディ・ビルダーに対する悪口ですよ。こんなにすごい体なのに、75kgしかないんですか?というのが誉め言葉です。」と言われた。

重く見えるというのが、誉め言葉だったとは。

 

そして、前回は、大会のあと、1日で6kg太ったそうだが、今回は7kgも太ったとのこと。でもそんな風には全然見えなかった。しかし、それも悪口になってしまいそうだったので、黙っておいた。

 

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俺が就職したときに、隣の席に座っていた先輩が、現職で亡くなった。病死だった。

 

「お前が就職したとき、俺の隣の席に座っていて、どこの真面目そうなおぼっちゃまが来たのかと思っていたけど、こんな遊び人になるとは思わなかった。」そう言われていた。

 

いつも飲み会ではビールの大ジョッキを頼み、「乾杯」の挨拶とともに、一気飲みをするような人だった。キャバクラ、ギャンブル等々、悪い遊びの基本は大体、彼から学んだ。少し学びすぎて、ほとんど裏まで見えるくらい遊んだ。

 

最近笑ったのは、健康目標を立てろと職場にいわれた先輩が「1年に1日、休肝日を作る。」というとてつもなく低い目標を立て、しかも、達成できなかったと聞いた時だった。

 

その後、大動脈解離とかいう大病を患い、生死の境をさまよった挙句、無事に退院したのだが、医師から「禁酒」を宣言され、奥さんに泣かれても、飲みに行ったという。本当に生きた伝説のような人だった。

 

地頭がとてもよくて、特に交渉事には毎回、驚かされたのを覚えている。客引きのいるような店では、いつも格安の金額交渉をし、極端な交渉勝ちをしてしまうので「もう交渉しない。」と出禁になる店も多かった。

 

亡くなったという通知を見ながら、俺のなかでも一つ時代が終わった気がした。心のどこかで、仕事を続けていれば、またあの頃のような楽しいことが起きるのかもと思っていた自分に気がついた。もうそんなことはないのに。

 

遊び人として、有名だった先輩が亡くなっても、世の中は普通で、そして多くの人は忘れてしまう。今の職場でも、彼を知っている人は少なかった。先輩の話をすると、「そんな生活していたら体壊しますよね。」というつまらない反応しか返ってこなかった。

 

「もう、この仕事を続ける意味もないな。」

先輩の死と、俺の退職にはそんなに因果関係はないのに、そう思った。

 

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週末から2泊3日(土、日、月)で、長野県の田舎の仲間5人と福岡に旅行をした。目的は純粋に遊び。

 

土曜日の午前中に福岡空港に着き、地下鉄でホテルに。ホテルに荷物を預けると、タクシーでアサヒビール園博多店に行き、焼き肉食べ放題、ビール飲み放題を楽しんだ。このアサヒビール園は、10月31日には閉まってしまうそうで、ギリギリ間に合った感じだ。

 

そして、またタクシーで、福岡の競艇場へ。俺は小穴を当てたので、少し負けたくらいですんだ。

 

夜はもつ鍋を食べに行った。ニラが山のように載っている。店員が胸に名札をつけているのだが、不自然な名前なので、友達が聞いたら、漫画のワンピースの登場人物の名前を書いているのだそうだ。友達が「で、君は何の実を食べたの?」という実にしょうもない質問をしたところ、店員に爆笑されて、呆れられた。

 

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翌朝は、午前中から飲みに行った。そしてそのあと、みんなで昼には寿司を食べ、それからまた競艇場に行った。この日のレースは堅くて、基本的に穴派の俺はかすりもしなかった。賭けていた船が転覆したときには情けなくて泣けてきた。

 

それでも夜はみんなで、高級店に飲みに行った。フグのフルコースは、競艇がうまくいかなかったので諦めて、おこぜのフルコースを食べた。焼酎を、ボトルで2本も開けたので、1次会に3時間もかかってしまった。

 

それからシューティングバーに行ってエアガンを撃った。ちょっと変わった店員がいて、なかなか面白かった。

 

シューティングバーを出ると、俺はますます飲みたくなってしまい、それからバーに行って、ジントニックなどをまた飲んだ。午前2時頃に帰ってきた。

 

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俺以外はみんな結婚している。家族に、毎日、競艇をしていましたって訳にもいかないだろうし、それに、これが最も大きな理由だが、月曜日は競艇場が開いていない。

 

それで、仕方がなく、最終日は観光をすることになった。

 

福岡タワーにタクシーで行った。最上階までエレベーターで登って、その昔、「漢委奴國王」の金印が発見されたという志賀島なんかを、海の向こうに見てきた。

 

そこから、ヤフードームを経由して、新名所「BOSS E・ZO FUKUOKA」に行って、地上40メートルの高さからの滑り台というのを体験してきた。

 

で、夜になってから、また福岡空港から名古屋まで帰ってきた。明日から仕事だ。日常は本当につまらん。

 

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映画「カリブの白い薔薇」を見た。

年寄りの偉い爺さんに、美少女を妻として売る商売をしていた男が、あまりにきれいな美少女を好きになってしまい、売るのを躊躇しているうちに、部下の美青年に奪われてしまったという話。

 

ルッキズムだと、怒られてしまいそうだけど、これだけ美少女だと、どんなわがままを言っても「仕方ないか。」と思ってしまう。

 

なんだかへなちょこな映画だったけれど、美少女がとにかく印象深かった。