金曜日に、ぐらぐらしていた奥歯を2本抜いた。歯には2本の根があるが、どういうわけかぐらついていた奥歯は2本とも根が折れてしまっていて、もう抜かざるを得ないということだった。放っておくと、あごの骨が吸収されて大きなくぼみができるのだという。

2本も抜いたので、歯茎が腫れて、顔も右下部分が膨らんでいる。

 

翌日の土曜日に、姉の家に行って義兄とビールを飲んだが、姉が「歯を抜いた翌日にビールなんか飲んではダメ!」とうるさく、2本しか飲ませてもらえなかった。

 

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翌日はまた上田まで戻ってきた。途中で、三菱のディーラーによって、1年点検とドライブレコーダーの設置を依頼した。前方を記録する装置だけで2万5千円かかり、後方も記録する装置もつけるとさらに2万5千円かかるという。

 

「じゃあ、いいや。前だけで。」

そのほか、ブレーキパッドの交換まで頼んだら、そこまでで6万を大きく上回った。

 

「オイル交換はどうします?」

「ガソリンスタンドよりも安くできる?」

「できません。」

「じゃあ、しなくていいや。汚れているとは思うけど。」

 

そして、そのとき体を捻った。左の腰に激痛が走って、その場に立っていられなくなるほどだったけれど、とりあえず我慢した。

 

家に帰ってきて、ロキソニンを飲む。これがただの筋肉痛なのか、それとも関節炎とか尿路結石なのかが俺にはよくわからない。

 

この痛みを理由に、またジムに行かなくなるんだろうなあ、という予感はしている。

 

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TEDをほぼ毎日、見ている。

 

ジョン・ハリの「依存症 間違いだらけの常識」には俺が今まで持っていた依存症の認識を覆された。

 

ネズミを1匹だけ閉じ込めて、モルヒネ入りの水と、普通の水を置いておくと、どのネズミもモルヒネ入りの水ばかり飲むようになる。つまり依存症になる。これは間違いがない。

 

しかし、ネズミにとって天国の状態、つまり友達がいて、恋人がいてという状態でモルヒネ入りの水と、普通の水を置いておくと、普通の水を飲み、依存症にはならないのだそうだ。

 

つまり依存症を誘発するのは孤独感や絶望であって、つながりがあれば依存症にはならないのだという。

 

そのほかにもキャサリン・モーアの「私の一部がウニになったわけ」はラブ・ストーリーとしてとてもよかったし、カーソン・ブランズの「タトゥーが健康にもたらすもの」もタトゥーの染料を工夫することで、様々な体の状況を表示させる機能を持たせるなど、考えたこともない話しが興味深かった。

 

マレーネ・ズクの「虫たちの倒錯したセックスライフから学べること」は理想的なプレゼンで、とても面白く、気づかないうちに多くの知識が身につく。働きバチが全て雌であることは知っていたが、指摘されるまで、軍隊アリも全て雌だというのには気がついていなかった。社会的昆虫は全て、雌が働き、雄はぐーたらしているだけだ。

 

アン・マデンの「微生物の世界へようこそ ― 自宅にも、そしてあなたの顔にも」では、スズメバチから採取した菌でビールができるという事実を指摘している。今は新聞のどこにも微生物のことなど載っていないが、今後、微生物が社会の主役になる日が来ても不思議はないと、このプレゼンを見ながら思った。菌のなかにはプラスチックを分解するものもいるし、油を分解するものもいる。そういう菌を培養してゴミ処理場で振りかける、という時代が来てもおかしくないような気がする。

 

なかなか話しは聞き取りづらかったけれど、パーキンソン病でおばあちゃん科学者であるジョアン・コリーの「気候変動に立ち向かえるスーパー植物とは」は、植物が光合成によって根に二酸化炭素を固定する性質を生かすため、より多くの根を持つ植物を育てることを目的としている。内容は明快。二酸化炭素削減というと「暑くても、27度で我慢しろ」としか言わない行政よりも賢い。こういう実験に投資することこそ、真の二酸化炭素の削減に資すると思う。

 

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吉田覚の漫画「働かないふたり」(新潮社)をキンドルのプライム会員なら無料で読める10巻まで読み終わった。

 

兄と妹の2人兄妹で、2人は働かない。愛情あふれる家庭で父親は何も言わず、母親は働いてほしいと思ってはいるが、強制はしない。

 

2人は毎日、ゲームをしたり本を読んだりして過ごし、家族全員で朝食を食べた後、父親の出勤を見送ってから寝る。ときどき友達が来る。皆、いい奴ばかりだ。

 

店に服を買いに行くことすら抵抗がある妹は、社会性はないが、とても性格がよくて、かわいい。

 

この2人を見ていると、幸せってこういうことだっけ?と考えさせられる。平穏で、楽しくただ時が過ぎていく。俺も中学時代、今では連絡すらしていない同い年の従姉妹と仲がよかった。2人であらゆる種類のトランプゲームをしていた。あの頃は幸せだった。

 

彼らには欲というものがほぼない。妹は「もし3億円当たったら、両親を豪華客船で世界旅行に招待する。自分はゲームのソフトが2、3本買えればそれでいい。」という。

 

もし、俺に機会が与えられたら、この漫画を英訳して、シンガポールで売ってみたい。努力を重ね、他人より一歩でも先んじたいKIASUな彼らと、全く正反対のこの「働かないふたり」に、あの国の若者はどういう反応を示すのだろう。エリートの彼らにとっては革命的な価値観を示すことになる気が俺はして、その事を考えると少しワクワクする。

 

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映画「ギフテッド」をキンドルで見た。

 

英語をマスターするには、「量」が必要ということで、フィリピンの先生に英語のドラマや映画を見ることを推奨されている。

 

「何かおすすめの映画はある?」

俺が聞いたら、教えてくれたのがこの映画だった。

 

「ザ・ギフテッド」という名前の通り、数学の天才の娘と義理の父親との結びつきを描いている。

 

数学の天才を描いた映画はたくさんある。この映画もよかったけれど、ドラマが薄っぺらくて。俺としては「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の方がずっと好きだ。

 

しかし、俺ももうすっかり大人なので、フィリピンの先生には「いい映画でした。感動しました。」ってきっと言うんだろうと思う。