火曜日の夜、部のボーリング大会があった。俺は随分と前に申し込んでいた。引っ越しが決まってやめようと思ったけれど、幹事が許してくれなかった。逆に、ボーリング場まで幹事のために車を出すように頼まれた。

 

スコアは1回目が67で、2回目が140だった。ひどい有様だったので、表彰式も後ろの席でふてくされて状況を見守っていた。表彰式が終わって、じゃあ、帰ろうぜ、という段階になって、突然、俺は部長に呼ばれた。転勤に当たって、全員の前で何か挨拶をしろということだった。

 

偉そうな人たちの前で、当たり前のことを事務的に話して挨拶は終わった。いろんな人から「爆弾を投下するのではないかと期待したのですが。」と言われたが、そんなことはしなかった。俺ももう立派な社会人だということだ。

 

水曜日は、午前中に長野で最後の仕事をして、午後は上田の新しい引っ越し先に向かった。途中で、ガスコンロやらカラーボックスやらを買った。夕方にはガス会社が来て、開栓をしてくれた。お湯が冗談みたいにチョロチョロとしか出ないので文句を言ったら、「ガスのせいじゃないです。水道管が詰まっているんです。」ということだった。

 

俺が悲しい気分でカラーボックスを組み立てていたら、気の毒に思ったのか、俺が買ってきたガスコンロを箱から出してセッティングをしてくれた。ガス用のホースを買っていなかったので、設置できずにいたのだが、サービスでつけてくれた。いい人だった。

 

そして、木曜日は新しい職場で普通に仕事が始まった。みんなの前で挨拶をしたが、仕事内容は難しくて、あまりよくわからず、なんとなく漂っていた。金曜日も同様だった。

 

土曜日は、朝から忙しかった。荷ほどきで大量に発生した段ボールの空き箱を縛ってまとめると車に積み込んだ。それから不動産屋に行って契約書をもらってきた。不動産屋に「水道管が詰まっていて、お湯がほとんど出ない」と文句を言ったら、水道会社から連絡させると言われた。

 

今まで、プレミアム・モバイルとかいうモバイルwifiの会社と契約をしていて、全くwifiが機能していなかったので、この機会に新しく光回線に繋げることにした。引っ越しの最中にその手続きをしたら、いろんな器具が送られてきたので、とりあえずセッティングをした。

 

その間に水道会社から連絡があって、夕方5時から状況確認をすることになった。しかし、その前に午後2時から長野のアパートの引き渡しがあったので、とりあえず長野に向かった。途中、リビング用品を売る店で、段ボールを捨てて、足りなかった天井灯を買う。それから、スペアキーを作ってもらおうとしたら、発注しないとだめだと言われて、発注もしてもらった。

 

アパートの引き継ぎは30分ほどで終わった。クリーニング代だの、凹んだタイルカーペット代を出せだのいろいろと言われた。言い返すのも面倒だったので、妥協した。

 

帰り道、ふと携帯電話の更新期間であることに気が付き、ヤフーモバイルのお店に入った。SIMカードをソフトバンクからヤフーモバイルに替えたらどのくらい安くなるのか試算してもらった。9700円くらいだった携帯使用料が3千円台になるのだという。おまけに今よりもデータ通信量が増える。「そんなにいらないよ。」といったら、アンドロイドのタブレット端末を120円で買えという。余った通信量は、これでシェアすればいい。なんだかとてもいい話だったので、すぐに乗り換えることにした。ソフトバンクの解約も、ヤフーモバイルの乗り換えもすぐにしてくれて、タブレット端末までもらって帰ってきた。

 

それからまた上田に戻った。5時にはギリギリ間に合い、水道会社と状況確認をした。やはり、水道管が詰まっているということだった。「とりあえずは、お湯を高温にして、それを水で薄めて使ってください。」と言う。仕方がなかった。

 

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日曜日は、東京の駒場にある東京大学で「インバウンド実務主任者認定試験」があった。転勤になってよっぽどやめようかと思ったけれど、受験料が1万円を超えることに思いが至って、受けに行くことにした。

 

朝10時からの試験なので、上田を朝6時台の新幹線に乗らないと間に合わない。日曜日は朝5時30分に起きて、上田駅の駐車場に車を駐めて、新幹線に乗った。新幹線のなかではずっと勉強をしていた。

 

今回の試験に直結する問題集は、市販のものでは1冊しかない。一般財団法人全日本情報学習振興協会の「インバウンド実務主任者認定試験 公式過去問題集」だけだ。載っている問題数は200

俺はこれを今まで3回、回していた。3回目に、それは土曜の夜だったけれど、試してみたら、2問しか間違えなかった。だから、新幹線のなかと、湘南ライナーのなかでずっと解いていたけれど、もう間違えるようなことはなかった。

 

駒場東大前の駅は、渋谷駅から2駅だった。そう記憶していたので2駅目で降りたら、そこは明大前だった。都会の電車には急行というものが走っていることを忘れていた。

 

それで、急いで引き返すことにして再び駒場東大前を目指した。少し焦ったけれど試験時間である10時までには、余裕を持ってたどり着いた。

 

試験は、思ったよりは難しかった。問題集にも出てこない知らないことを聞かれて、戸惑った。訪日客は、中国、韓国、台湾、香港、アメリカの順だと覚えていたが、その次がタイなのかフィリピンなのかまでは覚えていなかった。そして、そこを聞かれた。

 

合格ラインは8割の正解だから、かなり合格は堅いとは思うけれど、疑問があるものにクエスチョンマークを付けてみたら、意外と多くて落ちていても文句は言えないことがわかった。

 

試験は2時間もあって(俺は勝手に1時間くらいだと思っていた)、かなり疲れた。どこにも寄らず、また新幹線に乗って上田に戻ってきた。

 

それから、また段ボールを捨てて、クリーニングを取りに行って、なんてことをしていた。今、とても疲れている。日曜日をもう1日欲しい。