せっかく覚えた微分と積分も時が経つにつれて忘れてしまう。俺の覚えた範囲は狭いものだけど、それでも必要な時に取り戻したいと思っていた。
それでいろいろと考えていたんだけど、円の面積πr²を微分すると円周2πrになることを知って、この方法で覚えていればいいことが分かった。
つまり、微分の作業は、乗数を前に持ってきて、乗数をひとつ減らせばいい。
x²→2xにすればいい。
積分の作業はその逆で、1を加えた乗数で割って、乗数をひとつ増やせばいい。
2x→x²ということだ。
円の面積や円周の公式はさすがに忘れないと思うので、この方法なら覚えていられると思う。
微分 πr²→2πr
積分 2πr→πr²
ちなみに球で確かめてみる。
球の体積は4/3*πr³。これを微分すると4πr²になって円の表面積になる。
微分は瞬間を捉える方法なので、球の体積を出す瞬間を捉えると、シャボン玉の様な表面積がつかめてしまう、という理解をとりあえずしてみた。それで、なんとなく合っているような気がする。
なんてことを書いていて、先日、東京に行ったときに、キヨスクでニュートンの11月号を買ったら、そこに『「円周」を積分すると「円の面積」が求められる』って記事が載っていた。「円周を積み上げていくと面積になる」のだそうだ。ふーん。やっぱりそうだったんだ。
ちなみにこの号では、「宇宙は、なぜ暗い?」という特集記事があり、俺はこのことも以前から不思議だったので、読んで納得した。さらにニュートンは1冊1000円以上する。俺はそのことにも驚いた。
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相変わらず、仕事はつまらなく、辞めたくて仕方がない。が、辞めたいときに辞められるほど俺には経済力がなく、仕事に引きずられたつまらない人生を送っている。
俺の祖父の研究をしているという人がいて、会って話を聞いた。祖父は芸大を出てそれから連続で7回、日展に出展し、無鑑査となって、以後は出品すれば出展できるようになったのだそうだ(このあたりの仕組みを俺はさっぱりわからない。)。
祖父が25歳の頃の写真があって、それを見せてもらった。隣に目のあたりを隠した裸の女の人が立っていて、ほほお、と思ったのだが、それが本当の裸の女ではなく、祖父の作品だと気づいたのは、祖父が粘土を扱うヘラを持っていたからだった。女の足元には、粘土の山が写っていた。リアルな、本当の女性のように見える。写実的な作風だったらしい。
東京から長野の田舎に疎開するにあたって、作り上げてきた像はすべて破壊したのだそうだ。もったいない話だった。
俺はどうやら、まともなサラリーマン生活が送れそうにないという点だけを祖父から譲り受けたらしく、話を聞きながらも情けなさばかりで胸がいっぱいになった。俺が25歳の時は、司法試験を諦めて、サラリーマンになった年だった。ちょっと考えただけで、申し訳ない気しかしない。
金曜日には残業を途中までして、すっかりすべてが嫌になって、8時くらいから飲み屋のお姉さんに誘われて飲みに行った。誘いに簡単に乗ることが、俺の長所でもあり当然、欠点でもある。
二日酔いの間だけは、長所だとは1ミリも思わないが、結局5軒もハシゴをして、2時頃帰ってきた。
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土曜日は強烈な二日酔いで、起きたのが11時だった。それから間欠的に強烈な吐き気に襲われる。全てのやる気を根こそぎ持っていくような吐き気で、そうなるとまたベッドに倒れこんでしまう。
夜は東京で、昔の職場の仲間たちと飲み会だったが、とても行けそうになかった。
2時頃に無理やりシャワーを浴びると、少しは体調もマシになったような気がした。長野駅から東京駅に向かう。10分くらい遅刻しただけですみそうだった。
ところが、お店がどこにあるのかさっぱりわからず、地図を見てもわからなかった。同じように道に迷った仲間がいて、彼女と落ち合うと、わからないままにあちこちを歩いた。最終的には幹事に連絡して、なんとかたどり着いた。お店の前を通過していたりもした。
お店に着いたとき、最初は水を飲んでいた。水が飲めることがわかったので、それからだんだんとビールを飲み始め、最終的には日本酒も飲んだ。
もう20年近く前の同僚たちなのだが、基本的に変わっていなかった。年を取っただけで大人になれなかったんだろう。当時の課長も来ていて、彼は大手の旅行会社の監査役にまでなって、それから大学の教授までしていて、今は無職で、いろんな国に旅に行っているのだと言う。理想的な生活をしているようだった。
他の同僚たちも、今の仕事に多少の不満は持ちつつも満足しているようだった。仕事に人生をかけている姿が、うらやましかった。俺は全然、そんな気にはなれない。一緒に飲んで話をしているうちに、だんだんと体調が回復してきた。
2次会では、迎え酒効果なのかすっかり体調は元通りになり、ウーロンハイをガブガブ飲んで、1次会でほとんど食べられなかったつまみも食べた。言いたい放題言って笑っていた。これが日常だった頃があったなんて信じられないような気がした。
そして、終電でまた長野に帰ってきた。長野でよかったことなんか何もない。また、つまらない人生をこの地で続けるのかと思ったら、本当にいろいろと嫌な気分になった。
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日曜日は仕事だった。
でも思ったよりも大したことはなく、早々に帰宅することができた。
明日からの仕事の方が大変で、やる気もないものだから苦痛で仕方がない。
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映画「人のセックスを笑うな」を観た。
こんなつまらなくてダラダラした映画を最後まで見た俺は本当に偉い、と意味もなく自分を褒めたくなるくらい本当につまらなかった。
それでも、どこか心を打つって書いた時点で嘘くさいけど、どこか気にはなった。俺は本当に恋をしたことないなあとか、蒼井優は本当にかわいいなあとか、そんなことを思った。
でも、蒼井優は俺と付き合うことは絶対ないだろうなあ、と当然のことを思い、それはある意味、幸運だったに違いないと思った。
この映画の英語の題名はDon‘t laugh at my romanceらしいが、その題名が正しく、セックスを笑うような場面はどこにもない。ひたすら、だらだらした映画だった。
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映画「ダイバージェントネオ」を観た。
アクションもCGも優れていたけれど、映画でSFの本質部分を訴え始めちゃうと途端につまらなくなってしまうという、マトリックスのときと同じ感覚を味わった。
それなりに面白かったし、元の映画よりも説明が丁寧で状況はわかりやすかったけれど、どこか今一つという感じで、のめりこめなかった。
そもそも、人を5つのタイプに分けられるというその前提が誤っている。そして、この映画の結論も「前提が間違っていました。」というものなので、「今までの話はいったいなんだったのか」とどこか釈然としない。当然だと思う。

