今週もつまらない1週間だった。仕事はますますうんざり。逃げ出したくて仕方がない。
起業家の本を読むと「わくわく感のない仕事はしない」なんて勇ましい言葉が並ぶが、そんなことができるのかと不思議でならない。
 
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金曜日には、仕事で世話になった人と飲みに行った。みんな励ましてくれてありがたかったが、頑なになった心はなかなかほぐれなかった。
 
それから、1人で3軒ほどハシゴをして帰ってきた。自分では記憶ははっきりしていると思っていたけれど、セブンイレブンのアイスクリームを家に帰ってから食べようとして、床に落としたあたり、かなり酔っていたんだと思う。
 
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土曜日は実家に帰って、ネット麻雀などをして無為に過ごした。
長野に行きたくないなあ、という思いしかなかった。
 
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映画「21g」を見た。
人は死ぬと、21g軽くなるらしい。それが、魂の重さだということは、俺も今までいろんなSFを読んできたから知っている。
 
この映画では、ショーン・ペンが死の淵にいて、思わぬことから心臓移植を受けて生き延びる。心臓をくれたのは、交通事故で死んだ男。彼は2人の娘と一緒に車にひき逃げされて死んだ。
 
ショーン・ペンは、心臓を提供した男の妻と一緒に、ひき逃げをしたドライバーを殺しに行く。しかし、ひき逃げをしたドライバーもまた、苦しみのなかにいた。ショーン・ペンは結局その男を殺せない。そして、また自分自身が死の淵に戻る。
 
21gの魂は、どこにあって、どういう秩序でやりとりされるのかが俺はわからない。21gという質量があるからには、体積もあるだろうし、身体のどこかにあるはず。それもわからない。
 
見終わった後も、生まれてくるときに、いつの段階で、魂は21gの質量を持つのだろうか?最初はもっと軽くて、だんだんと重くなるのだろうか?受精卵の段階で21gもあるわけないしなあ。なんてことをいつまでも考えていた。
 
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映画「バニラ・スカイ」をまた見た。
俺はこの映画を数10年前に見ていて、そのときは「俺が理想とする脚本だ」と思った。でもどんな話だったのかはすっかり忘れていた。
それで、また見てみた。最初に音楽で目が覚める。その音楽がレディオ・ヘッド。とにかく音楽にこだわった映画で、でも、初めて見たときはそれも気がつかなかった。
 
トム・クルーズの元彼女がキャメロン・ディアスで、今の彼女がペネロペ・クルス。俳優も豪華だ。
映像も美しく、そして、ストーリーも最後までSFだったとは思わなかった。確かにすごい映画だ。
 
そして、俺はこの映画が俺の人生を壊したのかもしれないとも思う。こんな夢のような女は現実にはいるわけがないが、この映画を見ると、いつか会えるような錯覚を起こす。俺も本当にそろそろ目を覚ました方がいい。
 
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映画「日本で一番悪い奴ら」を見た。
この映画は面白かった。柔道が強いだけの若者が、北海道警に入る。そして全日本大会で優勝。
 
警察内ではうだつが上がらないが、あるとき、上司にスパイを暴力団に作ることを教えられる。
それからは、シャブでもチャカでも欲しいときに検挙できるようになる。銃器の取り締まりの部署に移転してからは、完全に暴力団と結託。
 
組織ぐるみでシャブやチャカの検挙をしているうちに、暴力団に裏切られ大きなミスを起こす。左遷と同時に自らがシャブ中になってしまい、全てが裏目に出る。
 
中学生の不良少年にも、背負い投げで投げられ、精神も体もボロボロ。仲間も次々に死んでしまう。
彼は自分の環境を改善することができるチャンスがあったのに、しなかった。考えさせられる映画で、いい映画だった。
 
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アメリカのドラマ「スーツ シーズン6」を見終わった。
いろいろな人がレビューで書いているように、このシーズン6が今までのどのシーズンよりもわかりやすく、見やすい。
大学に行かずに、そして司法試験を受けずに弁護士活動をしていたことで、主人公のマイクが刑務所に入ったところからストーリーが始まる。
 
毎回、この状態を切り抜けられるものなのかと思うが、交渉術で切り抜けてしまう。彼の数分の1でも俺に能力があれば、仕事も簡単だよなあ、と思う。
 
まだまだ続くようだ。キンドルでの無料配信がいつになるのか知らないが、楽しみに待ちたい。
 
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中山七里の「テミスの剣」(文藝春秋)を読み終わった。
刑事が暴走をして、無実の男を殺人犯にしてしまう。自白を強要し、証拠までねつ造をする。その無実の男は自殺をしてしまう。その刑事とコンビを組んでいた若い刑事は、あるとき、別の事件の被疑者から、その事件の犯人は自分だと自白をされて驚愕する。
 
無実の男を自殺させた警察、司法は社会的な責任を取らされながらも逃げ回る。若い刑事は、執念深く、真実を暴いていく。
 
よくできたストーリーで、すごいなあ、と感心したけれど、本当に普通の刑事がこんなに記憶力がいいなんてことがあるんだろうかとも思った。少なくとも、会った人すら片っ端から忘れてしまう俺は、刑事にならなくて本当によかったと思った。
 
ストーリーが過不足なくて面白かったので、この作者の本はもう何冊か読んでみたいと思った。
 
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それで、中山七里の「贖罪の奏鳴曲」(講談社)を読み始めたのだが、あまりに面白くてすぐに読み終わった。
この小説の主人公は弁護士。法廷の内外でずば抜けた嗅覚を示す。設定では、十代の頃に5歳の女の子を扼殺したことになっている。その後、少年院でいろいろあり、司法試験を目指すことになる。中学校中退だから、当然、1次試験からの受験になる。大変な勉強量になるが、若いし時間もたっぷりある。
 
俺は本当の少年院がどんな所か知らないけれど、この小説で読んだ範囲内では、少年院は意外と勉強するのに適した場所のように思える。司法試験の勉強をするとなったら、独房に入った囚人のような生活にならざるを得ない。3食付で、ちゃんと運動の時間まであるのなら、勉強の場所としてはむしろ理想的と言ってもいい。
 
この主人公は優秀すぎて、とても俺には太刀打ちができないが、俺も無駄に過ごした青春時代をこうした閉じた環境で、そしてきちんと勉強をして過ごしていたら、もう少しまともな人生を送れていたような気がする。
 
大人になって思うのは、俺は教室で勉強するのは本当に苦手で、家で閉じこもって勉強するタイプだということだ。とてもつまらない今の仕事をしているときに、この本の内容を思い出す。俺はとても少女を殺すなんてことはしたくないし、できないけれど、俺も少年院のようなところで勉強したかったなあ、ということをときどき考える。
 
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そして、中山七里の「追憶の夜想」(講談社)まで読んでしまう。
主人公の弁護士は、法外な報酬を得ることで有名であったが、この刑事裁判は金銭目的ではなさそうで、なぜ彼が弁護をするのか誰もわからない。
 
そして、弁護する刑事裁判は、ニートと化した夫を殺した妻の事案。浴室で背後からカッターナイフで切りつけ、致命傷を負わせている。
証言も物証も全てそろっているなかで、ここからどうやって、妻を無罪に、もしくは大幅減刑を勝ち取っていくのか、俺は全く見当がつかなかった。
 
最期まで読む前に、真犯人がなんとなく俺にもわかったけれど、説明がなければさっぱりわからなかった。
読み終わったとき、今後、この弁護士はどうするんだろうと思った。おそらく、もう誰も彼に弁護の依頼はしないだろう。清々しくはあったけれど、過去の罪によって優秀な人が社会から排除されてしまうことに寂しさも感じた。