北京に来て1週間がたった。同僚は19人、11カ国から来ている。毎朝、7時30分に食事をしながら、今日の予定を確認して、夜も全員で食事を摂る。
日本語・韓国語・英語・中国語を話せる韓国人、ラオス語・ベトナム語・タイ語・英語を話せるラオス人、ロシア語・英語・フィンランド語・スペイン語・ドイツ語が話せるフィンランド人など、語学の才能にあふれた人がかなりの数いる。3カ国語程度は話せるのが普通だ。
日本語と片言の英語しかしゃべれない俺は本当に情けない。研修は基本的に英語で行われている。
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夕食時には、だいたいいつも各国の挨拶や、感謝の言葉で盛り上がる。先日は「お腹いっぱい」を各国でどのように言うかを話した。
「モンゴルでは「セーノ」という。」とモンゴル人が言ったところ、イタリア人が顔を赤らめて、「「セーノ」はイタリアでは、女の人の胸の大きなことを言う」と言ったので俺は笑った。
ちなみにイタリア語では「ソノピアーノ」と言うのだそうだ。「そのピアノ」と聞こえたのでそのまま覚えてしまった。
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俺がすごく気に入ったのはニュージーランド人とイタリア人が、ピザを食べに行ったときの話だ。
ビールが1本しか出てこなかったので、もう1本頼もうとしてニュージーランド人が指を1本立てて「ア ビア プリーズ。ア ビア」と言った。中国では2のことを「アール」と言うので、店員は慌てて2本のビールを持ってきたのだという。「あきらめて、飲んだよ。」とニュージーランド人は笑っていた。
気になって「もう一本」って中国語でどう言うのか別の人に聞いてみた。読み方は難しいが、漢字で書くと「加一瓶」とのこと。「頑張れ」の時の「加油」と同じだと聞いて、納得した。
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扇子に絵を描くという研修があった。俺の隣の席に座った日本人は、蓮の絵を描いていた。俺は簡単な竹の絵を描き、時間が余ったので余白にパンダの絵を描いた。
隣の席の日本人が「あ。」と声を出したので、絵を見てみた。普通に描けてるじゃんと思ったが、よく見たら、上下逆さまに描いていて、茎が扇子の上の方に付いていたので笑った。
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北京市は、どんどんと洗練されてきている。そのスピードは俺の想像を上回っていた。
日本のアプリである「Line」に、決済機能や送金機能が合体した「 WeChat」は会うほとんどの中国人が使っている。これで、コンビニでの支払いもできるし市中にある自転車を使い捨てもできる。初めて聞いたときはその機能の優秀さに驚いた。
久しぶりの地下鉄も簡単に乗れたし、わかりやすい。驚くほど電気代が安いらしく、街中ではガソリンエンジンのバイクを全く見ない。電動バイクばかりを見る。
もちろん、普通の市民の信号無視や列の割り込み等は日常茶飯事。暑い日には親父たちが、Tシャツの裾を胸の辺りまで持ち上げて歩いている。太い腹を見せられるのはたまらんなあ、とは思う。
だが、それも変わっていくような気がする。何しろ、仕事上で俺が会う中国人は、全員が俺よりもはるかに流ちょうな英語を話すし、さらに日本語までマスターしている人が相当数いる。普通の店でもかなりの人が英語を話すので、あまり困らない。俺たちがビールを飲んでいても「気を抜いてしまうから」とビールを飲まずに食事をしているスタッフの中国人を見ていると、正直、感心してしまう。
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俺の中国語のレベルは相変わらずで、発音のたびに、みんなに「違うよ。」と言われる。でも中国語は漢字で構成されているので、発音はともかくとして、書くだけならマスターは早そうな気がしている。
もちろん、気象予報士の勉強も英語の勉強もあるけれど、日本に帰っても中国語の勉強を続けたい。