7月16日から30日まで北京に行くことになった。羽田空港から北京空港へ行く。

羽田空港からの出発時間が朝9時10分なので羽田空港の近くに前泊しなければならない。会社からは基本的に実費が出るが、上限は1万円900円だ。

予約サイトで探してみた。3連休ということもあるのか、1万円で泊まれるような安い部屋はカプセルホテルくらいしか残っていなかった。

それで羽田のJALホテルに泊まることにして2万円ほどの部屋を予約した。シングルの部屋か、ダブルの部屋か、ツインの部屋になるのかが契約時点でわからないミステリ-・ルームということになっていた。
「どうだっていいや、そんなの。」

東急の品川からの路線に乗って、穴守稲荷駅で降りる。5分ほど歩くとJALホテルに着く。羽田のJALホテルは立派だった。「こんな立派なホテルだったっけ?」。
 
入り口まで行ったら、ここはJALホテルだけど、WESTWINGはこの建物じゃないよ、ということが書かれていた。
そうそう。俺はWESTWINGという別館を予約したんだった。指示通りに70メートルほど歩く。WESTWINGは普通のビジネスホテルだった。そりゃそうだよな。

ツインルームに泊まることができた。もっとも、バスタオルやパジャマが2枚あったからといって特に何もしないけれど。
ただ、ツインでも部屋が狭くて机がなかった。正確には椅子がなく、置くようなスペースもなかった。俺はとてもまじめなので、こんなところまでも気象予報士の勉強グッズを持ってきたが、さすがに広げる場所がなかった。任天堂3Dでベッドに横になって中国語の勉強を少しだけした。

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翌朝、ホテルの前から6時50分に出るマイクロバスに乗った。3分ほど走ると、もう空港が目の前に見え、10分ほどで着いてしまった。

「どうせ、国際線もガラガラだろう。」なんて思いながら3階に行ったら、すごい数の人で搭乗券の自動発行機械の前に列ができているほどだった。

大きなスーツケースは事前に送っていたので、それをまずはABCカウンターに取りに行った。それから、搭乗券の自動発行機械の列に並んで、搭乗券を取った。もう使い方もほとんど忘れていたけど、簡単だった。

普通は搭乗券を持った人は、荷物を預けるだけの列に並ぶのだが、ものすごく長い列になっていたので比較的短いエコノミーの列に並んだ。そっちの方がむしろ早そうだった。自分の順番が来たとき「搭乗券は持っているので、荷物だけお願いします。」と言って搭乗券とパスポートを渡した。荷物をベルトコンベアに置く。すぐに手続きも終わって簡単だった。

JALのスカイラウンジでリンゴジュースを飲んでいたら、姉からメールが来た。
「正露丸みたいなもの持った?」
俺は小学生かよ、と思いながら「持ってないけど、大丈夫。」と返事をした。
「空港内ならまだ買えるでしょ。」
めんどくさいなあ、と泣きながらラウンジを出る。時間はまだ20分ほどあった。空港内を探そうか、と思ったら、ラウンジを出たところで売っていた。ここでも列に並んで、正露丸の糖衣錠を買う。正露丸は糖衣錠ですら箱の外側まで、あの独特な匂いがしている。使う頃にはあらかた成分が蒸発してしまっているんじゃないだろうか。

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飛行機の座席の隣は西洋人だった。特に何も話をしなかった。食事をして、お茶を飲んだ。「あと15分ほどで北京空港に向けて降下を始めます。」というアナウンスが聞こえてからトイレに行った。

戻ってくると隣の席の西洋人が、俺の席の周りをかき回している。彼自身の座っていた座席はクッション部分まではがされていた。「へえ。クッションの下ってこうなっているのか」と感心しながら見ていた。

「どうした?」「携帯電話がない。」「荷物と一緒に上の棚に入れたのでは?」「俺は席で使っていたからそんなことはない。」なんとなく、俺が疑われているようにも感じた。

「空港に着いたら、誰かに電話をかけてもらえばいいじゃん。」と提案してみた。彼は最後には四つん這いになって探していたが、それでも見つからなかった。

その後、彼はトイレに行った。俺も自分の座席の周りを少し探してみた。でもやはりなかった。

自分の席に戻ってからも彼は探していた。そして、ふと、目の前にある食事用のトレイを下ろした。まさかと思ったが、そこに携帯電話が挟まっていた。俺は笑ってしまった。彼も照れたように笑っていた。

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ところで、俺は中国側のスタッフに、到着便と到着時間は連絡したけれど、その後の連絡は何もなかった。

北京空港の税関を抜けて、外に出たとき、もし誰も待っていなかったらどうしよう?とりあえずタクシーで、ホテルに行ってしまおうか?とも考えていた。

だから、空港で名前を掲げている人のなかに、俺の名前を掲げている人を見つけたときには安心した。そこには2人の女性がいた。

1人はそこの場所で別れ、もう一人がタクシー乗り場まで連れて行ってくれる。「あなた、中国語は話せる?」英語で聞かれたので、大きな声で「ノー」と答えた。「明日は10時に、第6会議室で始業式」だという。「スーツ着用で、ネクタイはなし。」

「これから1時間くらいタクシーに乗ってもらいます。」まだいろいろと話せるのかと思ったら、彼女は空港に戻っていく。「じゃあ、また明日。10時に。」俺も手を上げる。彼女はタクシーの運転手に目的地らしいメモを渡していた。俺はタクシーのなかで運転手と2人きりになった。

久しぶりの外国のタクシーの運転は相変わらずだ。車幅感覚が抜群でないとあんな運転はできない。ウインカーを出さずに横入りをし、路側帯に車線があるかのように走っていく。車はヒュンダイだった。

目的地に着くと、タクシーの運転手はメモに書いてあった場所に電話をする。空港で会った人とは別の2人の女性が来て、英語で説明してくれる。俺はこれからここで2週間、過ごすことになる。大学の寮のような施設だった。

個室でエアコンは完備。シャワーも一応ついている。机もあるし、まあ、十分だ。俺は大学の頃にワンゲル部にいたので、かなりの環境でも平気だ。なんでワンゲル部なんかに入っていたのかなあ、と多くの時間は後悔して過ごしているが、ごくたまにそういう経験が生きるときもある。

「6時から1階で歓迎会をします。」と2人は言って帰って行った。

俺はパソコンを取り出して、wifi環境を調べてみた。電波はある。でもアクセスができない。どうしたらアクセスができるのかフロントに行って聞いてみた。
30日間有効のカードを買うと、使えるようになるらしい。値段を聞いたら2000円くらいだというので買った。

今まで冗談だと思っていたけど、本当にフェイスブックは使えない。でも、ヤフーもアメブロも使える。

俺が一番「痛い」と思ったのは、俺が今回持ってきたパソコンのカードリーダーが、ミニSDカードのみ対応だったことと、データ転送用のコードも持ってこなかったことだ。
そういうわけで、このブログに北京の写真を載せるのは、また後日ということになる。

そして俺は、これから、6時からの歓迎会に行く。いったい、何語での歓迎会なのだろう?俺も挨拶をするのだろうか?不安が募るが、仕方がない。

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キンドルで「海街diary」を見た。
有名な女優が次々と出てくる映画で、なかなか面白かった。4人姉妹の日常を描いているだけなので、特に盛り上がりもなく淡々と話は進んでいく。こういう映画もあってもいいとは思う。ただ、どっかの映画賞に出品したみたいだけど、賞が取れるような映画じゃない。

広瀬すずって若い女優が、この映画では頑張っていて、俺はいいなあ、と思いながら見た。どこの家庭にもあるような問題を、この映画は撮っている。日本では共感を得ることはありそうだけど、でもまあ、それだけの映画ではある。