金曜日に保健指導を受けた。持ってこいと言われていたので、3日分の食事内容の記録も持って行った。


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今週の月曜日は、重い2日酔いで倒れていた。腹痛がひどくて、あまりこういう時に抗炎鎮痛剤なんか飲んではいけないんだろうけれど、どうにでもなっちゃえと思ってロキソニンを飲んだ。すごく痛かったんだからしょうがない。飲んでじっとしていたら痛みが和らいできた。なんだか快復したような気がしていた。


火曜日は本社から偉い人たちが監査だと言いながらやってきた。夜はその人たちのお付き合いをして飲んだ。僕は仕事が立て込んでいたので少し遅れて飲み会に行った。
「もし、僕が二次会に行きましょうなんて言ったら、それは絶対に間違いなので断ってください。日曜日から月曜にかけて13時間30分も飲んでいたし、明日もタラバガニを食べて、飲むので。」と事前に話していた。まだ体が完全には快復していないような気がしていた。


ところが日本酒を飲んでいるうちに、体が完全に快復したような気がしてきた。いろんな話をして楽しかった。それで、二次会に行こうと誘ったけれど、偉い人たちは断ってくれた。
水曜日の朝、それほど体調が悪くない状況で目覚めたとき「本当に二次会に行かなくてよかった」と偉い人たちに感謝した。


水曜日は、姉の家で、いとこが出張先の北海道から送ってくれたタラバガニを食べた。タラバガニは大きくて、カニ用のフォークは用意されていたけれど使わなかった。掘るような足の細さはなく、箸で十分につまめる。この日も姉の夫とビールを飲み、日本酒も飲んだ。とても美味しかった。
家に帰ってきた後、その日のうちに、酔っぱらった状態でいとこにお礼のメールを書いた。


3日分の食事内容の記録には、こういった飲み会の内容も含まれていた。食べた記録のなかでは「タラバガニ」というところを少し強調しておいた。


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簡単に挨拶をした後、保健指導が始まった。
「タバコは吸わないんですね。」
「普段は吸わない。でも、酔っぱらったときにときどき吸います。」
「今後は一切吸わないでください。あんなものは毒ですから。」
なかなか厳しい人のようだった。


「3日のうちに、2日は飲んで、1日は飲んでいませんね。お酒は家では飲まないんですか?」
「飲みませんよ。あんなものは毒ですから。」
「それはいいですね。あなたの内臓は脂肪だらけですが、確かにアルコールが原因の脂肪肝ではないようですね。」
どうやらそんなこともわかるらしい。


「そもそも私が来たのは、あなたが急激に太って、血液の状態も急に悪くなっているからです。病気になりかけているのですが、まだ間に合います。あなたはきちんと食事を摂っていてそれはいいのですが、年を取って基礎代謝も下がっているのに、食べ過ぎです。今の量の半分でいいです。」
「半分かあ。」
ごはん好きの俺には少しつらい。
「お昼にカップラーメンと柿の種ですか。柿の種ってあの小さな袋一つに240キロカロリーも含まれているんですよ。柿の種を野菜ジュースに変えることはできませんか?」
「できるけど、240キロカロリーは多いって意味ですか?」
「ええ。240キロカロリーは多いです。使うとなったら、1時間歩き続けなければなりません。」
昔は仕事に追われて、昼も食事ができず、柿の種とコーラだけで過ごしていたことがあったが、体に悪いというのは思い過ごしではなかったらしかった。


「それから運動をしてください。何かしていますか?」
「夜間ソフトと、野球部の練習と、ジム。」
「そんなにいろいろ運動しているんですか?」
「全部合わせても半年で6回くらいしか行ってないけどね。」
「ジムは使い放題なのですか?それなのに、それしか行ってないんですか?無駄じゃないですか!どうして行かないんですか?」
「めんどくさいから。」
「あなたは、めんどくさいと言いながらも、仕事でも何でもきちんとするように見えます。」
「なるほど。まあ、そうなのかも。」
「だから今日は、私がこうしてくださいと言います。今日から心を入れ替えて、週に2回は必ずジムに行ってください!これから6か月の間に変わってもらいます。」
「マジですか?」
「ちゃんとやっているかどうか、また連絡しますから。」


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その日の夜は金曜日の夜だったのに暇だった。家に帰ったあと、食事をした。それから「超めんどくさいんだけど」と泣きながら、ジムに行く支度をして、泣きながら運転してジムに行った。


ジムも久しぶりだった。着替えた後、クライマックスシリーズの巨人対ヤクルト戦を見ながらバイクを漕いでいたら、ジムのお兄さんがやってきた。
「久しぶりですね。」
「うんうん。申し訳ない。」
「どうですか?なかなか来られないみたいだし、ちょっとメニューを見直してみましょうよ。」
なんだか目が真剣だった。
「そうだね。実は今日、保健指導があって、ジムに必ず行くようにって言われちゃったんだよね。確かに太り過ぎだし。これからはもう少し来るようにしたい。」
「ちょうどいいじゃないですか。もう一度、体力測定をやり直して、メニューを作り直しましょうよ。」


それで、日曜日の午後3時30分から、体力測定をして、メニューを作り直すことになった。めんどくさくて、涙が出そうだった。


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日曜日の朝、近所の人たちから自治体に収めるお金を集めた。地元の自治会の役割で、そんなこともしなくてはいけない。幸い、いい人ばかりなので、みんな払ってくれる。でも、それをしただけで、俺はあしたのジョーのように真っ白に燃え尽きたような気がしていた。


3時30分からの体力測定なんて冗談のような気がした。それでもジムの人だって待っているだろうからと、間に合うように出かけて行った。確かに、俺はめんどくさいと言いながらも、きちんといろいろとする男なのかもしれなかった。


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ジムでは若いお兄さんが、体重や身長を測ってくれて、そのほか握力、背筋力、持久力などのチェックもした。


保健師の指摘のとおり、1年前と比較して、内臓には脂肪がたっぷりと付いているようだった。ただ1年前よりも、握力、背筋力は増加し、持久力は相当伸びていた。


ここでもまた食事について、いろいろな指導を受けた。夕食では、油ものと炭水化物を摂らないように約束させられた。週に2回のジムも約束した。火曜日に、僕のために作ってくれる新メニューの確認に行かなければならない。めんどくさいけど、俺は行くんだろうなあ。


家に帰ってきてから、大量に鶏肉とキャベツを焼いて食べた。満腹したが、それでも、一応、約束は守っている。


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フライト・ゲームというアクション映画をキンドルで見た。


nonstop

http://youtu.be/JAaBEGWFWHA


飛行機に乗ったアルコール中毒で、精神的にも不安定な航空保安官が、ハイジャック犯と対峙する。行動が過激なので、乗客からは不満も漏れる。裏切り者の相棒も殺してしまうが、それらがすべて航空保安官の立場を危うくする。なかなかスリリングな映画で、ラストまで目が離せなかった。


nonstop1

ところで、いつから飛行機内って普通に携帯電話を使ってよくなったのだろう?昔はラジオも聴いてはいけなかった。コラムニストのボブ・グリーンだったと思うが、飛行機に乗るときにFMラジオを聴くと次々と違う局の音楽が聴けて楽しい、なんて書いて航空関係者に怒られていた。この映画では、普通に携帯電話を使っていいということが大前提になっていたので、きっといつの頃からか、いいことになったのだろう。


nonstop2

ラストは少し疑問だった。犯人は本当に生き延びることができると思っていたのだろうか?逃げ道があいまいで、俺なら計画を立て直す。動機も今一つよくわからない。


全体として、十分に映画としては楽しめた。ただこの映画を見て、特に人生観が変わったり、感心したりするような映画ではなかった。