僕の家には、芸術家だった母の絵などの作品が100点以上ある。数えたわけではないが、少なく見積もっても100点はある。


先日、姉が掃除を手伝ってくれた。
「掃除もいいけど、家にどんな作品があるのか一度、全部調べた方がいい。」
台所にある、不要な調味料を捨てながら姉が言う。どうしてそんなめんどくさいことを思いつくのか俺にはよくわからない。
「別に、今すぐ売るつもりもないし、そんな必要あるのかなあ。」
俺も、調味料棚を解体しながら、ささやかに抵抗してみたが「少しずつでも始めるべき。」と姉は譲らない。


考えただけでも超めんどくさいので「夏にwindows10が出る。そうしたら新しいコンピューターを買うから、それから始めるってことにしよう。ちゃんと写真を撮りながら一覧表を作る。」ということにした。姉もそれで渋々、納得した。


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一人暮らしはいろいろ面倒なので、そろそろ結婚でもしようかと思った。でも、ちょっと考えてみたら相手もいなかった。それで、結婚相談所というか、そういう企業に行ってみた。「どんな女性がいいですか?」というので、「若くて感じのいい人」と言ったら、「ふざけるな。」という表情をして「そうですか…。」と頷いていた。


最近の結婚事情はどうなのか、世界一いらないことを親切に教えてくれる。うまくいかなかった場合の言い訳のようだった。どのくらいの費用がかかるのか、なかなか教えてくれないので聞いてみた。
「言ってしまっていいんですか?」なんて言われる。こういうところでは、金額を聞かないのが不文律なのだろうか?
「言ってしまっていいですよ。」費用は真っ先に話すべきだと俺は思うんだけど。


随分と高い金がかかることが分かった。なかなか言わない理由が分かった気がした。そんな金があったら、適当な女の子と海外に行って遊べるじゃん、と思った。ポール・ボキューズに何回も行ける。契約書を持ってくる。契約書を前に「どうしようかなあ。」と思っていた。


僕は一番安いコースを依頼するかどうかで迷っていた。何人に交際を申し込むかで料金が変わる。自分の性格からいって1か月に2人くらいに申し込むのが限界だろう。それにそんなに会ってる暇もないし。
「また、検討して出直します。」
そう言ったら、相手の人は席を立ち、しばらく待たされた。そして戻ってくると、その安いコースから、さらに数万円引いてくれるという。
「但し、今日だけです。」
そこで手を打った。


契約はそれで終わったけれど、いろんな書類が必要なことが分かった。源泉徴収票のコピーやら、独身証明書やら、本当にめんどくさい。なかでもとりわけめんどくさいと思ったのが、スーツ姿の写真を撮ることだった。


姉に聞いたら、会社の近くにある写真館は顔を修正してくれて、きれいにしてくれるのだという。それで仕事を1時間ほど休み、その写真館に予約をして、出かけていった。


イスに腰掛け、ポーズを取るように言われる。
「ポーズ?」
カメラマンが実際に座って、ポーズの取り方を教えてくれる。カメラマンは痩せていて、色黒だ。「かっこいいなあ。」と思ったけれど、俺がやっても意味がないだろうな、とも思った。


「もっと笑って。歯を見せてください。」
「顔が引きつってもいいですから。」
「目に力を入れて。」


写真を撮られるのもけっこう大変だ。そのあと「どういう写真がいいか、撮ったものから選んでください。」なんて言われたので「センスがないので、適当に選んでください。」と頼んで、仕事に戻った。


夕方、仕事帰りに写真を取りに行く。
「笑顔の写真にしました。」店の人が写真を見せてくれる。


これは、どこの変質者ですか?というような、怪しい笑顔の中年男が写っていた。でも、きっとここまでするのにも、相当な努力をしたに違いないと思い直し、お礼を言ってお金を払った。


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土曜日は、叔父の49日の法要があった。49日というのは、元々は仏教にはない仕組みなのだと、和尚さんが教えてくれる。


死後、閻魔大王をはじめとして10人の大王が、瑠璃の鏡を見ながら、地獄に行かせるか天国に行かせるかの裁判をするらしい。瑠璃の鏡には、その人の人生が映し出されるとのこと。


人は悪いこともいろいろとするので、49日の法要で、残った者が死者の代わりに良いことをしてあげるのだという。「これは追善供養なのです。」と和尚さんが言う。


「ほほお。」とは思ったが10人の大王というのが気になった。奇数にしておかないと、天国行きか地獄行きか、5対5で意見が割れた場合、問題が生じるように思った。でも、黙っていた。大王達の裁判システムについて余計な疑問を挟んで、叔父に不利益になったら気の毒に思ったからだ。


法要のあとの宴会では、昼からビールをたくさん飲んだ。最後には日本酒もかなり飲んだ。宴会終了後、駅前まで歩いてタクシーに乗って帰ってきた。家に帰ってから、礼服を脱ぐと、ベッドに倒れるようにして眠ってしまった。


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3時間くらい経った頃、部下からの緊急電話で呼び出された。事故があったのだという。現地までかなり距離がある。


「現地まで行きますか?」と部下が言う。
「当たり前だ。でも、俺、かなり飲んでるから迎えに来てくれ。」


急いで必要な書類を集めて、外に飛び出す。部下との待ち合わせ場所まで急ぐ。携帯で部下の居場所を確認する。
「今、どこにいる?」
「そろそろ、家を出るところです。」
「遅い!」


それから現地に着くまで1時間くらいかかった。損傷箇所を確認して、記録を取り、必要な人に会って話し合いをした。酔いがかなり覚めていたので助かった。


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日曜日は朝から集会場の掃除があった。


予定ではそのあと地域のスポーツ大会があり、さらに家々を回って区費の徴収をしなければならないところだった。


ところが雨で、僕が出るスポーツ大会の種目は中止になり、区費の徴収も集会場の掃除のときに、みんな持ってきてくれたので行かなくて済むようになった。


家に帰って食事をしたら、猛烈な睡魔に襲われて、雨音を聞きながら3時間ほど眠った。


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エージェント・マロリーというアクション映画を見た。


haywire

http://youtu.be/SHsNLa7yx7k

セクシーな女スパイが裏切り者を殺していく話しだが、話しが不必要に国を跨ぐので分かりづらい。バルセロナ、ニューヨーク、サンディエゴ、それからメキシコ、それからえーと…。


haywire1

ただ主役のジーナ・カラーノがセクシーで、かなり強いのが気に入った。それなりの映画だったが、娯楽映画としては悪くないように思った。


haywire2