月曜日の勤労感謝の日に、神社のしめ縄づくりをした。今回は戦没者の霊を慰める神社のために2本作った。12月になったら、また本殿用に1本作る。
ワラを縄に巻いて、それを細いヒモで縛っていく。気が遠くなるような作業だが、人数さえたくさんいればそんなに大変でもない。
そして、その縛った綱3本を1本により合わせる。
ベテランの方々の知恵と力がないと、このより合わせる作業はさっぱりわからない。
神社まで、できあがったしめ縄を運び、帰ってきたのはまだ午後2時前だった。
それから飲みに行った。
4次会を経て、帰ってきたのは、もう午後12時近かった。
最後は、お酒もつまみももう何も口にできないほど、腹がいっぱいになっていた。
その時点でもう、飲み過ぎた感じはしていた。
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火曜日は出張だった。
朝、特に気分は悪くなかったが、それはまだ酔っているから、という気がしていた。
会議会場までバスで2時間ほどかかるので、その間、ほとんど寝ていた。
会議は無事に終わった。
万全ではないが、そんなにひどく酔っているという感じはなかった。
それから職場に行き、家に帰ってきたのは夜、遅くなってからだった。
それでもその日の夜のうちに、シナリオを最後まで完成させた。
基本的にはコメディで、主人公は元OLの猟師だ。
印刷をしているときに、「こんな作品で賞が取れるわけないよな」と考え始めていた。
水曜日の朝、2時間ほど年休を取り、郵便局に原稿を持ち込んだ。書留を頼みながら、「俺は何をやってるんだろうなあ。」と思っていた。「賞なんて取れるわけないのに。」こんなムダな作業をさせてしまって、郵便局の皆さんにも申し訳ないなあ、という気もした。
でもまあ、何かの意味があるんだろう。もう僕には、自分が何のためにこんな作業をしているのか、よくわからなくなっている。
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水曜日の午後も木曜日も出張があった。どちらも会議だったが、「俺、必要?」って思うような会議だった。
特に木曜日の会議では「20周年のイベント」という議題だったのに、予算も期日も場所も主催者も内容も決まってないという有様で、資料も1枚もない。「どう思いますか?」なんて聞かれたので、もう少しで暴れ出すところだった。
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そして、木曜日の夜、若者2人と飲みに行き、12時過ぎまで飲んだ。
途中から、飲み過ぎだなあ、と思っていたけれど、「大丈夫だろう」と思って飲んだ。全然、大丈夫じゃないのに。
金曜日の翌朝は、車を職場に置いてきてしまったので、タクシーで職場に行った。そんなに気持ちが悪くなかったが、きっとまだ酔っているせいだと思っていた。
それでも、別の課の担当者と法務局に行き、かなりやっかいな登記事案について話し合いをした。めんどくさい事例だったので、今まで資料だけは丁寧に作っていた。
登記官の方は、一昔前なら考えられないほど親切だった。多くの人のミスが重なった案件で、最も真っ当な方法を取ると、関係者が拡大しすぎてしまう。なんとか最小の被害で食い止めたい。
そんな話しをしてきた。登記官の方に内部で検討していただくことになった。
法務局から帰ってきた後、2日酔いのせいで、腹が痛くなってきた。でも、なんとか耐えた。金曜日の夜は午後8時過ぎには寝て、翌朝の土曜日も朝7時過ぎまで寝ていた。
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土曜日の午後、地元で交通安全の集いがあって参加した。
地域のリーダーに言われて仕方がなく参加した集会だった。「めんどくさいなあ」と思っていた。
でも、講師の先生が読む、交通事故に巻き込まれた家族の手紙の文章を聞いているうちに、涙が出てきた。「なんで泣いているんだろ、俺。」と思った。「俺も涙腺、緩いなあ。じじいだな。」なんて思った。
その後、交通安全の寸劇、というのも見た。
仲の悪い嫁と姑が、交通安全の講師をするというものだった。
「安全のために、私のプレゼントした蛍光のたすきを使ってくださいね。これを掛けると、車のドライバーからよく見えるんですよ。」
「おまえ、鴨居に蛍光のたすきを掛けていただろう。廊下でつまずいて、ちょうど首の所にたすきが引っかかった。危うく死ぬところだった。あれは、私を殺すワナだろ。」
演者が嫌みな姑を上手に演じていて、なかなか面白かった。
地元オリジナルの交通安全ビデオというのも、よかった。「この交差点で、交通事故が多い」と普段、通過している道路が映っているので、よりリアル感が増した。
泣いたり笑ったり、いい集会だったなあ、と思いながら帰ってきた。何もない田舎だと思っているが、地元の能力も侮れないなあ、と思った。
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マンガを買って読むことは少なくなってきたが、松下奈緒子の「重版出来」(ビッグコミックス)だけは、まだしぶとく読んでいる。「重版出来」は、「じゅうはんしゅったい」と読む。
このマンガの魅力は、主人公の女の子にある。柔道でオリンピックを目指していた小熊のような主人公の姿は、薄汚れたビジネスの世界でも眩しく映る。
火曜日の出張の際、会議をする場所の近くだったので、会社のなかでも1、2を争う忙しい職場に行った。かつては僕もそこで仕事をしていた。その頃は、昼間の街を僕は知らなかった。土日も毎日、仕事をしていたからだ。
今年からその部署に配属になった同僚は「もう、無理。」なんて弱音を吐いていた。「あと4か月だと思ってやるしかない。」なんて言うので「あと3年と4か月だろ。」と励ましてあげた。俺だって4年もいたのだ。1年で逃げられると思うなよ。
彼は「『頑張って』って言葉をもう聞きたくない」と言っていた。その気持ちは僕にはとてもよくわかる。頑張らざるを得ないのに、頑張ってって言葉を聞くと、ついむっとしてしまう。また「頑張って」と言った人が、なんだか気分が楽になったように見えるのも腹立たしい。
でも、このマンガの主人公は「頑張ってと言ってもらえると嬉しいです。そして、その人のためにももっと頑張ろうと思います。」と、前向きにとらえる。これが強さだよなあ、と思う。
このマンガは、ビジネスの世界で、真っ当に生きるというのはどういうことなのかを、主人公を通して教えてくれる。読んで、俺も素直に「頑張ろう」という気になる。この小熊のような主人公の女の子に教えられることは多い。そして、俺は間違った道を来ちゃったなあ、と過去を振り返って感じる。
でも、今からでも遅くない。一歩一歩頑張るだけだ。
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ジェフリー・アーチャーの「死もまた我等なり-クリフトン年代記 第2部-上巻」(新潮文庫)を読み終わった。
ジェフリー・アーチャーの描く主人公は、いずれも勤勉で、遅刻をしない。そして、その妻は信じられないほど勇敢で優秀だ。
彼の物語を紡ぐ能力は、どうやったら身につくものだろうか。毎回、読むたびにすごいなあ、と感心する。
自身が刑務所に入っていたせいもあるだろう。主人公のハリーは、アメリカ上陸直後に弁護士に騙されて刑務所に入るが、仲間に恵まれ、また本来の勤勉さを武器に刑務所内でも頭角を現す。
そして、彼自身がそうだったように、刑務所内の出来事を本に書いて、そして出版する(今回、出版したのは、彼自身ではなく詐欺師だったが。)。
こういう逆境を自分の糧にする能力も、僕は見習う必要がある。僕はまだまだ身につけなければならない能力がたくさんある。
ところで、この本を日曜日の午後に寝ながら読んでいたら、そのままうたた寝をしてしまった。読書をしながら、うたた寝をするなんてことは久し振りで、最初は驚いたが、目覚めたとき、随分と気持ちがいいものだということがわかった。
俺、こういう感覚も忘れていたなあ、って思った。