今週は月曜から木曜日まで毎日、日帰りで出張があった。
なかなか決裁をする時間がないので、朝はなるべく早く家を出て、職場に行った。
そんななか火曜日に突然、飲み会が入って、飲みに行った。
「明日も出張があるから。」とセーブして飲んでいたのだが、2次会に行ってしまった。
2次会はつまらなかった。俺、どうしてこんな高い店で、つまらない会話をしていなければいけないんだろう?と思った。早く時間が経たないかな?なんて考えていた。それで、気分を変えようと3次会まで行ってしまい、飲み過ぎた。帰ってきたのは1時頃だった。帰りのタクシー代をキープするために、クレジットカードを使ったが、クレジットカードなど使わなくても、手持ちの現金で足りる程度だった。
翌朝、6時頃に起きて、シャワーを浴びた。それから職場までタクシーを使った。もったいないが、仕方がなかった。溜まっていた決裁を終えた後、少し眠たかったが、寝ている時間はなかった。すぐに、朝の会議が始まった。
気持ち悪くて、何も食べることができなかった。でも、廊下をふらふら歩いていたら、職場にいる女性が柿をむいていたので、もらって食べた。柿は2日酔いにいいということになっている。
昼には回復したと思って、インスタントラーメンを食べた。食べながら、もう大丈夫、なんて思っていたけれど、その後、また気持ちが悪くなった。昼休みの間は吐き気を押さえるのが大変だった。
午後の出張は、部下の運転する車に乗っていった。車に乗っている間にだいぶ回復し、話し合いはまあまあだった。
出張から帰ってきた後、そういえば、昨日クレジットカードを使った際に領収書を受け取らなかったことに気がついた。もし、何十倍も請求されていたらどうしよう、と思った。
それで、クレジットカードの会社に電話をした。「昨日、飲んだ店で領収書を受け取らなかったので、いくら使ったのか教えてほしい。」と言ったが、「該当がありません。」という話だった。「そんなはずはないんだけど。」
よくよく考えてみたら、支払いをしたのは「昨日」ではなく「今日の未明」だった。カードでの請求料金は割り増しもなく、僕が聞いていたとおりの額だった。田舎の飲み屋は良心的でいい。
3次会には、初めて一緒に飲む他部署の人と行った。後から聞いたら、一緒に飲みに行くと、日本酒のお銚子が10本以上も空くような酒豪だという。翌朝も元気なわけだ。
毎回、飲み始めると後先を考えずに飲み過ぎてしまうが、いい加減、ほどほどにしたい。それが無理なら、せめて酒に強くなりたい。くだらないが、結構、切実な中年男の願いでもある。
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先日、トム・クルーズ主演の「オブリビオン」を見たときに、銀行はこの映画を作ると聞いて、よく資金提供のOKを出したな、と思った。SF映画は作り上げたものを見てみないとイメージが湧かない。
そう考えていくと「インセプション」に資金提供した銀行は勇敢だよなあ。
そんなことを考えながら寝ていた。そして、ふと、自分が構想を練っていた脚本のことに思いが至った。
前回、SFの脚本を書いた。今考えている脚本はサスペンスで、何重ものトリックが仕掛けてある。オープニングこそ都会だが、郊外に話が飛び、最終的な舞台は海だ。ヨットとヘリコプターが不可欠で、車も1台、爆破する。
脚本のコンテストに出したときに、例えばスターウォーズみたいな脚本が認められることがあるだろうか?もし、自分が資金提供者で、ど新人がこんな脚本書いてきたらお金をつぎ込むだろうか?答えは「絶対にそんなことはしない」。当然の判断だ。
いい脚本というのは、必ずしもお金がかかる脚本のことをいうわけじゃないだろう、と言われれば確かにその通りだ。俺はアクション映画を見過ぎなんだと思う。
そして冷静な頭で客観的に自分を見たとき、僕はこの脚本が仮に認められても、次のSFやサスペンスを生み出せない。量産ができない。
コナン・ドイルやアガサ・クリスティーのすごいところは、質の高いサスペンスを量産できることだ。僕はそんなに思いつかない。
そう考えていくと、俺が脚本を書こうと思ったとき、サスペンスやSFなんか無理だ、ということがわかる。何とか書けるとしたら、ホームドラマだよなあ。
自分にはそういうものしか書けないんだと自分で認めるのに少し時間がかかった。
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そんなわけで3連休は、2時間もののホームドラマの脚本を全く何もないところから1本書き上げるつもりだった。
情熱というのは、持続しなければ意味がない。
3分の1程度書いたところで、動きが止まってしまい、途方に暮れてしまった。
そして、貴重な3連休をムダに使ってしまった。溜息しか出てこない。
何にもしなくても時は経つんだなあ、って思った。
したことと言えば、姉とお墓の掃除をしたことと、ジムに2時間くらい行ったことだけだった。3日もかけてやるようなことじゃない。こんなことなら、診療情報管理士の勉強でも真剣にしておけばよかった。
本当の3連休で、今回は職場からも呼び出しはなかった。もっとも日曜日の夜中の12時過ぎに部下から緊急電話が入ったけれど、簡単な指示でクリアできた。
SFやサスペンスだと、骨組みは決まっているので(少なくとも頭のなかでは)、そこに肉付けをしていくだけだが、ホームドラマは何もないところに波風を起こさなければならない。ゴールもあるのかないのか微妙だ。
サザエさんみたいなドラマも書くとなると意外と難しいんだなあ、と改めて感じた。
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竹村公太郎の「日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族編】」(PHP文庫)を読み終わった。
これで、彼の3部作は全部読み終わった。
信濃川河口はなぜ2つあるのか?そんな謎に作者が迫る。迫る先に必ず唸るような回答が待っているのが、この3部作だった(新潟では水はけが悪く、昭和になっても胸まで水に浸かって田植えをしていたのだという。もう1つの河口は水はけをよくするための水抜き水路だった。)。
今回もとても面白く最後まで読んだ。少子化問題について、22世紀初頭に7千万人になると言うけれど、それはもともと第2次世界大戦突入前の日本の人口だ、という作者の意見に「そんなに気にしなくてもいいのかも」という感想を持った。
この3部作は、元建設省のお役人が書いているだけに、平易で説得力のある文章になっている。こういう本にまた出会えるといいなあ、と思った。
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「アモーレス・ペロス」というメキシコ映画を見た。
見ながら何度も「もう勘弁してくれ」とつぶやいた。見続けるのがつらくて、何度も映画を見るのをやめようと思った。
映画がこんなに現実感を持った悩みをぶつけてくるとは驚きだった。映画を見ながらとても苦しかった。役者に、こんなリアルな演技ができるのだろうか。俺は神になったような視点で映画を見た。
カメラワークに遊びがなく、必要なものを全て映している。俺はその全てを見なければならない。愚かな人間の行動を。
貧しさがいけないのか、教育がいけないのか、愛が悪いのか。同じ時間帯を3つのストーリーが進んでいく。複雑に、そして微妙に絡み合う。1つの事故が、何人もの人生を全て台無しにし、生き方を変えさせていく。
計画を立てると神が笑う、という。人生は計画通りには進まない。人間の弱さも強さも感じる映画だ。俺が神だったら、このなかの誰を救うだろう?
長い映画で、2時間30分以上もある。
見ているのがつらいが飽きはこない。ただ、ポール・ボキューズのリヨン本店のフルコースと同じで、満足しすぎてぐったりする。
何回見てもいい映画だと思う。でも、正直なところ、本格的過ぎる。俺はこういう人間の業といったものを見せつけられるのが耐えられない。
今はただ、くだらない映画が見たい。

