台風が過ぎたあとも、天候は今ひとつクリアにならない。注意報や警報が出て、そのたびに警戒態勢に入る。


台風の間に起きた事故や災害、連絡した相手方等を記録したホワイトボードがある。台風が過ぎたあとそのホワイトボードを撮影をする。印刷してファイルしておく。それから、ホワイトボードから全てを消して倉庫に持っていき、収納する。


今週の月曜日の朝、「もう出てくるんじゃないぞ」と願いを込めて、ホワイトボードの隅々まできれいに消して、倉庫に収納した。


だから火曜日の朝に職場に行ったとき、収納したはずのホワイトボードが再び外に出ていて、いろいろと書き込まれているのを見て、とてもがっかりした。


日本に住んでいるんだなあ、という気がした。これがシンガポールであれば、台風は来ないし、地中海であれば1年中穏やかな気候で暮らせるのだろう。日本って大変だよなあ。やれやれと思った。


+++


会社所有の施設から、金属製の看板が4枚ほど外されて盗まれてしまった。
盗まれたのがいつのことなのかわからないほど、今まで誰も気がつかなかった。


どうも3年前に点検したときにはあったらしい。わかったのはそこまでで、実際に盗まれたのがいつのことかはわからない。


こんなものをなぜ盗むのか、僕にはよくわからない。純粋に金属材料として盗んだのか、あるいはマニアの犯行なのか。しかし、こんなものを盗みたがるマニアなどいるのだろうか?よくわからない。


それで、警察に届け出に行った。届け出には僕の生年月日や住所のほか、社長の生年月日も必要だと言われ、事務所に電話で聞く。盗まれた施設の番地や3年前の点検の日付なども必須だ。印鑑も必要だ。いろいろと面倒くさい。


その後、警察といっしょに盗まれた現場に行き、現場検証をした。このときは僕自身は盗まれた看板のあったところを指さすだけなので簡単だ。警察の人が写真を撮ってくれる。


「犯人が見つかりそうにない被害届は、検挙率が悪くなるから警察はいい顔しないよ。」と人からは聞いていたが、対応してくれた警察官は皆、親切だった。


被害届を出した証明書が必要かと言われたので、必要だと言うと随分と待たされた。所長が成人式に出席しているからではないか、という話もあったが実際には何が原因かはわからない。


待たされた部屋は鉄格子の入った小さな部屋で、防音用の壁に囲まれている。天井には岩綿吸音板が使われている。スチール製の机が置いてあり、机の上にはスタンドが1つ。座らされたイスの前には、足を入れるスペースがなく普通に足を出すと机を蹴ってしまう。十分な広さがあるはずなのに、どこか心理的に圧迫感を感じる。


1人で待っているときに、ふと、今日は元同僚でニュージーランドに住んでいるフィンクルの誕生日だということに気がついた。


待っている間に、小さな声で、「ハッピーバースデーの歌」を歌った。「Happy birthday Finky,Happy birthday Finky…」ハエが一匹、狭い部屋の中を飛んでいた。窓の外は曇っていたが、ときどき日が差すことがあった。でも、太陽は見えない位置にあった。きっと独房の中というのは、こんな感じなんだろうな、と思った。


+++


最近、苦情が多くて困っている。なかでも困るのは「この人は相談よりも治療が必要なのでは?」という人だ。


言っていることが支離滅裂。怒っていることはわかるのだが、「それはいつの話ですか?」と聞いていくと、どうやら10年以上前の話らしい。土地の話らしいのだが、地番はわからず、誰の所有なのかもわからない。何度も大声で話す同じ話を聞いているうちに、何も言わず受話器を置きたい衝動に駆られる。こんな非生産的な仕事がほかにあるだろうか?


地方の役場に問い合わせをする。「一度、顔を見てお話した方がいいですよ。」と言う。「でも一度名刺を渡すとそれこそ毎日、電話かかってきますけれど。」とも言う。役場の人が本気で助言をしてくれているのか冗談を言っているのかがわからない。
「そんな状態になるなら会えませんよ。」そう言って電話を切った。気分がまた暗くなってきた。


毎日、いろいろあって、やってられないなあと思う。でもまあやっていくしかない。


+++


気象予報士の試験まで1週間を切った。勉強もいよいよ大詰め。改めて実技試験の1時間以内の作業量の膨大さに驚く。


ここに来て、やらなければならないことの多さに気が滅入りがちだ。それでも、何もやらないよりはやった方がいいだろう。


残り少ない時間、できることは限られているけれど、有効に使いたいと思う。